“白衣”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
びゃくえ58.6%
びやくえ14.1%
びゃくい8.1%
はくい6.1%
はくえ4.0%
びやくい3.0%
きもの1.0%
しろきころも1.0%
しろぎぬ1.0%
しろぬの1.0%
(他:2)2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その中に心憎くも澄ましきって、座を構えてしきりに短笛をろうしている白衣びゃくえの人の姿、それが、また極めてハッキリと浮び出て来ました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
変てこな白衣びゃくえの侍が、左手に剣をふるって、やにわに斬りこんできたので、健気にもあの植木屋が、気を失った自分の刀を取って防いでくれた。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
白衣びゃくえのが桃色の、水色のが白の手巾ハンケチを、二人で、小さく振ったのを、自分は胴の間に、半ばそでをついて、倒れたようになりながら
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白衣びやくえ淺黄あさぎの袴の平服になつて、居室ゐまの爐の前に坐つた道臣は、ポン/\と快い音のする手を二つ鳴らしてお駒を呼んだ。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
髪は水色の紐にむすんだ、日本の少女と同じ下げ髪、着てゐる白衣びやくえは流行を追つた、仏蘭西フランスの絹か何からしい。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さうして、翌日の出立に、源右衞門の家の勢揃ひへ眞ツ先きに行つたのは文吾で、白衣びやくえに脚絆甲掛けの姿が可愛らしかつた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
服装みなり広袖ひろそで白衣びゃくいはかまをつけ、うえなにやらしろ薄物うすもの羽織はおってられました。
いもおわらずこの白衣びゃくい老人ろうじん姿すがたはスーッと湖水こすいそこまぼろしのようにえてきました。
空中をフワフワ飛んでゆく白衣びゃくいの怪人が現れたかと思うと、間近くから救いを求める老婦人の金切声かなきりごえが起りました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一段高いだんの上に、新月を頭上にけたように仰いで、ただひとり祈る白衣はくいの人物こそ、アクチニオ四十五世にちがいなかった。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この喪章もしょうと関係のある球の中から出る光線によって、薄く照らされた白衣はくいの看護婦は、静かなる点において、行儀の好い点において、幽霊のひなのように見えた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かれは白衣はくいをつけた美女で、たもとをもって口をおおいながら泣き叫んでいるのである。
しづしづと白衣はくえの人らうちつれて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白衣はくえはかま股立もゝだちを取つて、五しきたすきを掛け、白鉢卷に身を固めて、薙刀なぎなたを打ち振りつゝ、をどり露拂つゆはらひをつとめるのは、小池に取つてむづかしいわざでもなく、二三日の稽古けいこで十分であつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
『ぢやうおそれから阿母さんは今一枚洗つて、今日けふ大原おほはらまでにいさん達の白衣はくえを届けて来るからね、よく留守番をてお呉れ。御飯ごはんにはさけが戸棚にあるから火をおこして焼いておべ。お土産みやには山鼻やまはなのおまんを買つて来ませう。』
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
うは鬚のはねた若いのが、洋服の上に白衣びやくいをつけて、忙しさうにしてゐたのを見た。それがお鳥の好きな醫學士だらうと思はれた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
回回フイフイ教の寺院で白衣びやくいの尼の列を珍しがり、共同墓地にはひつて大理石の墓の多いのに驚き、其処そこでバクレツと云ふくちなしの様な花のにほひの高いのを嗅ぎ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
若旦那わかだんなを、美少年びせうねんはうからむかへるやうに、じつとにぎる、とさきからゆきつて、ふたゝ白衣びやくい美女びぢよかはつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老爺おやじはさも困ったという風をして「何、実はこの間死んだ、おらの娘が来たんだがの、葬式とむらいの時、忘れて千ヶ寺詣せんがじまいりのなりで、やったものだから困るといって、今この通り、白衣きもの納経のうきょうを置いて行って、お寺さんへ納めてくんろといいながら、浜の方さ、行ってしまっただよ」とはなしされた時には
千ヶ寺詣 (新字新仮名) / 北村四海(著)
また汝の兄弟は、白衣しろきころものことを述べしところにて、さらにつまびらかにこの默示をわれらにあらはす。 九四—九六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そこで、この白衣しろぎぬの女はどこから来るのだろうということが、第一に店の者の疑問となった。
いかさま、お吉の丹前であろう、紅裏もみうらのついた丹前を、身長せいは並み、肉附きは以下——中肉以下に痩せていて、精悍さを想わせる体の上へ、肩からかけて羽織っていたが、それからむき出した左足に、白衣しろぬのが二ところばかり巻いてあった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
次は八月の一日で、江戸時代になつても、吉原の遊女は、八朔ハツサクコロモがへと言うて、白衣シロムクを着た。
アラビヤ兵の白衣バーナスが点々とみえていたのが、眼隠しをされ、まっ暗になる。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)