白衣はくえ)” の例文
白衣はくえはかま股立もゝだちを取つて、五しきたすきを掛け、白鉢卷に身を固めて、薙刀なぎなたを打ち振りつゝ、をどり露拂つゆはらひをつとめるのは、小池に取つてむづかしいわざでもなく、二三日の稽古けいこで十分であつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ぢやうおそれから阿母さんは今一枚洗つて、今日けふ大原おほはらまでにいさん達の白衣はくえを届けて来るからね、よく留守番をてお呉れ。御飯ごはんにはさけが戸棚にあるから火をおこして焼いておべ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
手紙を見てすぐに萩原を居間へ通せば、和尚は木綿の座蒲団に白衣はくえを着て、其の上に茶色のころもを着て、当年五十一歳の名僧、寂寞じゃくまくとしてちゃんと坐り、中々に道徳いや高く、念仏三昧という有様ありさま
しづしづと白衣はくえの人らうちつれて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)