“きもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キモノ
語句割合
衣服32.9%
着物31.1%
衣物11.9%
8.0%
衣類5.4%
著物4.7%
着衣1.4%
1.1%
職服0.4%
気物0.4%
衣裳0.4%
0.4%
着類0.2%
被物0.2%
和服0.2%
寛衣0.2%
0.2%
洋服0.2%
白衣0.2%
着服0.2%
絹衣0.2%
纒衣0.2%
脱衣0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もつと衣服きものいでわたるほどの大事おほごとなのではないが、本街道ほんかいだうには難儀なんぎぎて、なか/\うまなどが歩行あるかれるわけのものではないので。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのとき、のぶは、お人形にんぎょう着物きものをきかえさせて、あそんでいましたが、それを手放てばなして、すぐにおかあさまのそばへやってきました。
青い花の香り (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうしたら部屋のむこうに日なたぼっこしながら衣物きものを縫っていたばあやが、眼鏡めがねをかけた顔をこちらに向けて、上眼うわめにらみつけながら
碁石を呑んだ八っちゃん (新字新仮名) / 有島武郎(著)
たもつさんの記憶している五百いおの話によるに、枳園はお召縮緬めしちりめんきものを着て、海老鞘えびざや脇指わきざしを差し、歩くにつまを取って、剥身絞むきみしぼりふんどしを見せていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
腰こそ、まだ曲つて居なかつたが、盲目縞の衣類きものに包まれた腰の辺には、もう何等の支持力も残つて居るらしくは見えなかつた。
我鬼 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
しかし著物きものはみなくさつてしまつてのこつてをりませんが、かざものうち一番いちばんつのは、まづ勾玉まがたまその玉類たまるいであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
殺されている女湯の客の着衣きものが見当らないなんて、そんなおかしい訳はある筈がないと、一同は一様に不審のおもてを見合せた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
青いきら/\と光つたきものをきて、絶えずからだをゆすぶりながら歩るきます。その不思議なものは沼岸のところまでやつてきて、ぴんと頭をあげながらなれ/\しく
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
横にたふれた時、白い職服きものの下から赤いものが喰み出して、其の下から圓く肥つた眞白いはぎの出たのが眼に浮んだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
冬春にかぎらず雪の気物きものにふれてしものおきたるやうになる、是を里言りげんにシガといふ。戸障子としやうじすきよりも雪の気入りて坐敷ざしきにシガをなす時あり、此シガ朝噋あさひ温気あたゝまりをうくる処のはとけておつる。
「綺麗な衣裳きものを着るがいい。そうでないと他人ひとに馬鹿にされる」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
階の上には一人の王様が、まっ黒なきものに金の冠をかぶって、いかめしくあたりを睨んでいます。これは兼ねてうわさに聞いた、閻魔えんま大王に違いありません。
杜子春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大概たいがい洞察みぬかれし樣子にて扨てはあやしき事なりその女をころし又昌次郎梅等が着物きものを着せ置傳吉に難儀なんぎを掛罪におとさんとはかりしやも知難し首をかくす程なれば着類きものをも剥取はぎとるべきに夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大くほつて居ました又大岡殿梅が死體の證據しようこは何じや憑司之はしかとした證據はぞんじませぬと云ふにぞ越前守殿早我は娘の事目的めあてありやと仰さるれはお早ハイ現在げんざいの一人娘何見違へませう姿すがた着類きものと云ひ聊か相違さうゐ御座りませんと云へば大岡殿コリヤ早其方が娘のからだきずはないかお早一向に御座りませぬと答るに實固しかとさうかと期を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小さい声で「変な事を伺いますが若しや貴方は過日虎井夫人に頼まれて夫人の被物きものの衣嚢を、裏から挘取もぎとって遣りは成されませんでしたか」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
又一応探り廻して見ると確かに被物きもの、而も襤褸ぼろを着ては居るが背中に大きな堅い瘤の様な者がある。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「傷はどうだい、あんまり大したこともあるまい、今、岡田に和服きものを取りに行ってもらうことにした」
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
そしてそこから、焦茶色の羊毛の引摺るばかりの寛衣きものを着て、鍔のない帽子を被つて、山羊髯を少しばかり顎に持つてゐる年は四十ばかりの男の修道士があらはれた。
トラピスト天使園の童貞 (新字旧仮名) / 三木露風(著)
ふとひとしく、ひつくりかへつて、ねずみがころつとんだ。同時どうじに、づきんきものえてつた。襄邑じやういふちやう、そのとき思入おもいれがあつて、じつとると、つね貧弱ひんじやくねずみのみ。周南壽しうなんいのちながし。とふのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お島は乃公に他所行よそゆき洋服きものを着せて、横撫ぜをしないようにと言ったから、一つなぐってやった。新しい襟飾を付けて、新しい手袋を穿めて、新しいハンケチを持って、何も彼も新しずくめだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
やったものだから困るといって、今この通り、白衣きもの納経のうきょうを置いて行って、お寺さんへ納めてくんろといいながら、浜の方さ、行ってしまっただよ
千ヶ寺詣 (新字新仮名) / 北村四海(著)
二ツにけ脳骨砕けて脳味噌散乱したる有様実に目もあてられぬ程なり医師の診断に由ればいずれも午前二三時頃に受けし傷なりと同人の着服きものは紺茶堅縞たてじま単物ひとえものにて職業も更に見込附かず且つ所持品等は一点もなし其筋の鑑定に拠れば殺害したる者が露見を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
柏のひつぎの底に、経帳子きょうかたびらにしようと自分が選んでおいたあの絹衣きものにつつまれた白骨をとどめるのみで、あわれ果敢はかなく朽ちはてているであろう。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
これは等身大で、木から高浮彫で刻み出し、纒衣きものは着色してあって、極めて優雅であった。
戸外そとに変な者が、ウロ/\しているようだから何時遣って来るかも知れないから、若し来たら階下から『宮ちゃん/\。』ッて声をかけるから、そうしたら脱衣きものを抱えて直ぐ降りてお出でッて。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)