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着物
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きもの
ふりがな文庫
“
着物
(
きもの
)” の例文
三十七
年
(
ねん
)
九
月
(
ぐわつ
)
十四
日
(
か
)
、
幻翁
(
げんおう
)
望生
(
ぼうせい
)
の
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
余
(
よ
)
は
馬籠
(
まごめ
)
に
行
(
ゆ
)
き、
茶店
(
ちやみせ
)
に
荷物
(
にもつ
)
や
着物
(
きもの
)
を
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
き、
息子
(
むすこ
)
を
人夫
(
にんぷ
)
に
頼
(
たの
)
んで、
遺跡
(
ゐせき
)
に
向
(
むか
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そのとき、のぶ
子
(
こ
)
は、お
人形
(
にんぎょう
)
の
着物
(
きもの
)
をきかえさせて、
遊
(
あそ
)
んでいましたが、それを
手放
(
てばな
)
して、すぐにお
母
(
かあ
)
さまのそばへやってきました。
青い花の香り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家の中はまっ
暗
(
くら
)
で、しんとして
返事
(
へんじ
)
をするものもなく、そこらには
厚
(
あつ
)
い
敷物
(
しきもの
)
や
着物
(
きもの
)
などが、くしゃくしゃ
散
(
ち
)
らばっているようでした。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
は
夜
(
よ
)
もすがら
靜
(
しづか
)
に
眠
(
ねぶ
)
りて、
今朝
(
けさ
)
は
誰
(
た
)
れより
一
(
いち
)
はな
懸
(
が
)
けに
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
し、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
かみ
)
を
撫
(
な
)
でつけて
着物
(
きもの
)
もみづから
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りしを
取出
(
とりいだ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そしてじぶんの顔を黒くぬって、年よりの
小間物屋
(
こまものや
)
のような
着物
(
きもの
)
をきて、だれにも女王さまとは思えないようになってしまいました。
白雪姫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
あの
白
(
しろ
)
い
着物
(
きもの
)
に、
白
(
しろ
)
い
鉢巻
(
はちまき
)
をした
山登
(
やまのぼ
)
りの
人達
(
ひとたち
)
が、
腰
(
こし
)
にさげた
鈴
(
りん
)
をちりん/\
鳴
(
な
)
らしながら
多勢
(
おほぜい
)
揃
(
そろ
)
つて
通
(
とほ
)
るのは、
勇
(
いさま
)
しいものでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「里見さん。あなたが
単衣
(
ひとへもの
)
を
着
(
き
)
て呉れないものだから、
着物
(
きもの
)
が
描
(
か
)
き
悪
(
にく
)
くつて
困
(
こま
)
る。丸で
好加減
(
いゝかげん
)
にやるんだから、少し大胆
過
(
す
)
ぎますね」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
帽子
(
ぼうし
)
や
着物
(
きもの
)
や
靴
(
くつ
)
はもとより、
顔
(
かお
)
や
手先
(
てさき
)
まで、うすぐろくよごれていて、長年のあいだ
旅
(
たび
)
をしてあるいたようすが見えています。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
今は儂にとりて
着物
(
きもの
)
の如く、
寧
(
むしろ
)
皮膚
(
ひふ
)
の如く、居れば安く、離るれば苦しく、之を失う場合を想像するに
堪
(
た
)
えぬ程愛着を生じて来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ね、
母様
(
おつかさん
)
、あのお
邸
(
やしき
)
の
坊
(
ぼつ
)
ちん
(
ママ
)
の
青
(
あを
)
だの、
紫
(
むらさき
)
だの
交
(
まじ
)
つた、
着物
(
きもの
)
より、
花
(
はな
)
の
方
(
はう
)
がうつくしいつて、さういふのね。だもの、
先生
(
せんせい
)
なんざ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前はわたしに
欺
(
だま
)
されたと言うか言わない時に、一番
端
(
はし
)
に伏していた
鰐
(
わに
)
がわたくしを
捕
(
つかま
)
えてすつかり
着物
(
きもの
)
を
剥
(
は
)
いでしまいました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
あれと
私達
(
わたしたち
)
とは
何
(
なん
)
の
關係
(
くわんけい
)
も
無
(
な
)
いやうなものの、あれも
着物
(
きもの
)
、
私達
(
わたしたち
)
お
互
(
たがひ
)
も
着物
(
きもの
)
、
何
(
なん
)
となく
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
して、
私
(
わたし
)
は
氣耻
(
きはづか
)
しいやうでなりませんのよ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
おれの
姿
(
すがた
)
が
透明
(
とうめい
)
で
着物
(
きもの
)
を身につけさえしなければ、だれにも姿をみられなくなるってことを、みんなに知られてしまったんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
二番
(
にばん
)
めのわがおもふどちは、おれの
仲
(
なか
)
よしだといふくらゐの
意味
(
いみ
)
で、おれだつて
虱
(
しらみ
)
とおんなじことだ、とまるで、
綿入
(
わたい
)
りの
着物
(
きもの
)
の
縫
(
ぬ
)
ひめに
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
しかし
時計
(
とけい
)
はどうしたろう、それからポッケットに
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
いた
手帳
(
てちょう
)
も、
巻莨
(
まきたばこ
)
も、や、ニキタはもう
着物
(
きもの
)
を
悉皆
(
のこらず
)
持
(
も
)
って
行
(
い
)
った。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「遅くなって、伸ちゃんには気の毒だけど、でもまあいいわ。その代わり手当をたんともらえるんだから、今にいい
着物
(
きもの
)
を買って上げてよ。」
秘密の風景画
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
弟
(
おとうと
)
の
神
(
かみ
)
は
大
(
たい
)
そう
喜
(
よろこ
)
んで、おかあさんのこしらえて
下
(
くだ
)
さった
藤
(
ふじ
)
づるの
着物
(
きもの
)
や
靴
(
くつ
)
を
体
(
からだ
)
につけて、
藤
(
ふじ
)
づるの
弓矢
(
ゆみや
)
を
手
(
て
)
に
持
(
も
)
ちました。
春山秋山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
よき
着物
(
きもの
)
を着たものと汚ない着物を着たものと喧嘩したらば、よき着物を着た方が巡査の前へ出ても必ず勝つことに極つて居る。(六月四日)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
フランス軍がウィーンに侵入してハイドンの家近く
砲丸
(
たま
)
が落ちて来たとき、起き上って
着物
(
きもの
)
を
換
(
か
)
えさせ、驚き騒ぐ家人達に
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
唯、おぼろげながら、知れるのは、その中に
裸
(
はだか
)
の屍骸と、
着物
(
きもの
)
を着た屍骸とがあると云ふ事である。
勿論
(
もちろん
)
、中には女も男もまじつてゐるらしい。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もっとも君の見らるる通り、僕の家には、装飾品もなければ
骨董品
(
こっとうひん
)
もないし、また僕の着る
着物
(
きもの
)
は、家内のも子供のも同然、流行には
添
(
そ
)
わない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
道子
(
みちこ
)
は
其辺
(
そのへん
)
のアパートをさがして
一人暮
(
ひとりぐら
)
しをすることになつたが、
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
貯金
(
ちよきん
)
はあらかた
使
(
つか
)
はれてしまひ、
着物
(
きもの
)
まで
満足
(
まんぞく
)
には
残
(
のこ
)
つてゐない
始末
(
しまつ
)
に
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
いま
直
(
す
)
ぐにも
描
(
か
)
ける
器用
(
きよう
)
な
腕
(
うで
)
が
却
(
かえ
)
って
邪間
(
じゃま
)
になって、
着物
(
きもの
)
なんぞ
着
(
き
)
た
女
(
おんな
)
を
描
(
か
)
いても、
始
(
はじ
)
まらないとの
心
(
こころ
)
からであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりでかしらは
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になりました。これはちょうど、
垢
(
あか
)
まみれの
汚
(
きたな
)
い
着物
(
きもの
)
を、きゅうに
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
にきせかえられたように、
奇妙
(
きみょう
)
なぐあいでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
もう何百万という数の、星のように光るこな雪で
織
(
お
)
った、うすい白い
紗
(
しゃ
)
の
着物
(
きもの
)
を着ていました。やさしい女の姿はしていましたが、氷のからだをしていました。
雪の女王:七つのお話でできているおとぎ物語
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と見かえして、そういうが早いか、燕作のからだは、
岩
(
いわ
)
に
着物
(
きもの
)
をきせてころがしたように、そこから
沢
(
さわ
)
の下の
水辺
(
みずべ
)
まで一いきにザザザザザとかけおりてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先頃越後國
猿島
(
さるしま
)
河原より
跡
(
あと
)
を
闇
(
くら
)
ましたる昌次郎夫婦の者は
親
(
おや
)
憑司と
計
(
はか
)
りて
殺
(
ころ
)
せし男女の
死體
(
したい
)
へ
己等
(
おのれら
)
が
着物
(
きもの
)
を
着
(
きせ
)
夫
(
それ
)
より信州の
山路
(
やまぢ
)
にかゝり
忍
(
しの
)
び/\に江戸へ來りて
奉公口
(
ほうこうぐち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見れば、男の人は、しゅすの
着物
(
きもの
)
の上に、
毛皮
(
けがわ
)
をふちにつけた長いマントを着て、はね毛の
飾
(
かざ
)
りのついたぼうしをななめにかぶり、
胸
(
むね
)
には、世にも美しいくさりをさげています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「あら、
着物
(
きもの
)
なんかいらなくつてよ。——さうね、あたしの今一番
欲
(
ほ
)
しいのは上
等
(
とう
)
の乳母
車
(
ぐるま
)
よ。ほらキルビイさんのお
宅
(
たく
)
にあるやうな。あたし
䴡
(
れい
)
子をあんなのに
乘
(
の
)
せてやりたいわ。」
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『はい!』と
叫
(
さけ
)
んだものゝ
愛
(
あい
)
ちやんは、
餘
(
あま
)
りに
狼狽
(
あはて
)
たので
自分
(
じぶん
)
が
此所
(
こゝ
)
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
に、
如何
(
いか
)
ばかり
大
(
おほ
)
きくなつたかと
云
(
い
)
ふことを
全然
(
すつかり
)
忘
(
わす
)
れて、
遽
(
には
)
かに
跳
(
と
)
び
上
(
あが
)
りさま、
着物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
で
裁判官
(
さいばんくわん
)
の
席
(
せき
)
を
拂
(
はら
)
ひ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
おとうさんは
野
(
の
)
らへ
仕事
(
しごと
)
にでかけ、おじいさんは湖の岸へ、「のっこみぶな」というのをつりにでかけたあとで、おっかさんはひとりでよそいきの
着物
(
きもの
)
にきかえ、ふろしきづつみ一つをもって
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
二人
(
ふたり
)
は、そんな
話
(
はな
)
しをして、つまらなそうに
笑
(
わら
)
つた。そして、なんとなく
秋
(
あき
)
らしい
空
(
そら
)
のいろと、
着物
(
きもの
)
の
肌
(
はだ
)
ざわりとに
氣
(
き
)
がつくと、やはり
二人
(
ふたり
)
は
堪
(
た
)
えがたいやうに
故郷
(
こきやう
)
の
自然
(
しぜん
)
を
思浮
(
おもひうか
)
べるのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
姿にしても
其通
(
そのとほり
)
だ、
奈何
(
いか
)
にもキチンと
締
(
しま
)
ツて、
福袢
(
じゆはん
)
の
襟
(
えり
)
でも
帯
(
おび
)
でも、または
着物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
でもひツたり體にくツついてゐるけれども、
些
(
ちつ
)
とだツて
氣品
(
きひん
)
がない。別の
言
(
ことば
)
でいふと、
奥床
(
おくゆか
)
しい點が無いのだ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
夫人は、いかにもよく整った面長な中高な顔に
丸髷
(
まるまげ
)
の
両鬢
(
りょうびん
)
を張って年にしては少し地味な柄の
着物
(
きもの
)
の
襟
(
えり
)
を、幾枚も張り重ねた様に見せ、何故か、厚い毛皮のショールは膝の上の手に捲き付けている。
動かぬ女
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そうママに
附
(
つ
)
きまとってばかりいるなんて、いやな
癖
(
くせ
)
を
始
(
はじ
)
めたものね! あすの
晩
(
ばん
)
には取っかえてあげるって、そいってるじゃないの。もっと
悪戯
(
いたずら
)
を
加減
(
かげん
)
したら、
着物
(
きもの
)
だってもう少しもつのにねえ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
それから二
週間
(
しゅうかん
)
もたったでしょうか。よくはれた
日
(
ひ
)
のお
昼
(
ひる
)
ちかくに、
着物
(
きもの
)
はぼろぼろ、かみはぼうぼうの
女
(
おんな
)
こじきが、
諭吉
(
ゆきち
)
の
家
(
いえ
)
の
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
にたち、はいろうか、はいるまいかと、ためらっていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
數多
(
あまた
)
の若き
漁夫
(
ロツキユ
)
と
着物
(
きもの
)
つけぬ女との集まりて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
赤
(
あか
)
い
着物
(
きもの
)
のおきやがりこぼし
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
これらの
粘土細工
(
ねんどざいく
)
は、
驚
(
おどろ
)
いた
顔
(
かお
)
つきをして、
急
(
きゅう
)
に、その
仕事場
(
しごとば
)
へはいってきた
派手
(
はで
)
な
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
たお
人形
(
にんぎょう
)
を
見
(
み
)
つめているようすでした。
風の寒い世の中へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
草がからだを
曲
(
ま
)
げて、パチパチ
云
(
い
)
ったり、さらさら鳴ったりしました。霧が
殊
(
こと
)
に
滋
(
しげ
)
くなって、
着物
(
きもの
)
はすっかりしめってしまいました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いよいよ、お妃さまが
柱
(
はしら
)
にしばりつけられました。火がはやくも赤い
舌
(
した
)
をチョロチョロさせて、お妃さまの
着物
(
きもの
)
をなめはじめました。
十二人兄弟
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
一
風呂
(
ふろ
)
浴
(
あ
)
びて
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れゆけば
突
(
つき
)
かけ
下駄
(
げた
)
に七五三の
着物
(
きもの
)
、
何屋
(
なにや
)
の
店
(
みせ
)
の
新妓
(
しんこ
)
を
見
(
み
)
たか、
金杉
(
かなすぎ
)
の
糸屋
(
いとや
)
が
娘
(
むすめ
)
に
似
(
に
)
て
最
(
も
)
う一
倍
(
ばい
)
鼻
(
はな
)
がひくいと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あとは散漫に美禰子の事が
頭
(
あたま
)
に
浮
(
うか
)
んで
来
(
く
)
る。美禰子の
顔
(
かほ
)
や
手
(
て
)
や、襟や、帯や、
着物
(
きもの
)
やらを、想像に任せて、
乗
(
か
)
けたり
除
(
わ
)
つたりしてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
赤と黄と
緑
(
みどり
)
と青と
紫
(
むらさき
)
との五
色
(
しき
)
のしまのはいった
着物
(
きもの
)
をつけ、三
角
(
かく
)
の金色の
帽子
(
ぼうし
)
をかぶり、
緋色
(
ひいろ
)
の
毛靴
(
けぐつ
)
をはいて、ぶらりとさがっていました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
然
(
しか
)
し
時計
(
とけい
)
は
奈何
(
どう
)
したらう、
其
(
そ
)
れからポツケツトに
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
いた
手帳
(
てちやう
)
も、
卷莨
(
まきたばこ
)
も、や、ニキタはもう
着物
(
きもの
)
を
悉皆
(
のこらず
)
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
に
着物
(
きもの
)
だって……すこし
待
(
ま
)
ちたまえ、なにかあるだろう。が、家のものをさわがしたくないから、まにあわせだよ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
といって、
鉢
(
はち
)
かつぎをつかまえて、むりに
着物
(
きもの
)
をぬがせて、
汚
(
よご
)
れたひとえ
物
(
もの
)
を一
枚
(
まい
)
着
(
き
)
せたまま、
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
してしまいました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
父
(
とう
)
さんの
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
には
祖母
(
おばあ
)
さんの
織
(
お
)
つて
下
(
くだ
)
さる
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
、
爺
(
ぢい
)
やの
造
(
つく
)
つて
呉
(
く
)
れる
草履
(
ざうり
)
をはいて、それで
學校
(
がくかう
)
へ
通
(
かよ
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
天明調はどこまでも引しめて五
分
(
ぶ
)
もすかぬやうに折目正しく
着物
(
きもの
)
着たらんが如く、天保調はのろまが
袴
(
はかま
)
を横に
穿
(
うが
)
ちて祭礼の
銭
(
ぜに
)
集めに廻るが如し。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そこでその父母が、その人を知りたいと思つて、その女に教えましたのは、「赤土を床のほとりに散らし麻絲を針に貫いてその
着物
(
きもの
)
の裾に刺せ」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
“着物(
和服
)”の解説
和服(わふく)とは、日本在来の衣服のことで、近年では日本における民族服ともされる。着物(きもの)ともいう。洋服の対義語としても用いられる。
(出典:Wikipedia)
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“着物”で始まる語句
着物笊