“鈴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りん27.2%
すず25.4%
ベル21.9%
すゞ12.4%
れい5.3%
リン3.0%
べる3.0%
すう0.6%
すヾ0.6%
レイ0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春日長次郎はかなりの能弁で、一通り由来を述べ終って卓の上なるりんを振ると、後ろの幕が二つに裂けて、そこから賑やかな音楽が湧き起りました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
紳士は手ずから瓦斯ガスストーブに火をつけて電気をひねった。その前の椅子に徳市を坐らせて差し向いになった。机の上のりんを押した。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
と——真っ暗な、女坂のくだり口にかかろうとした時、すぐそのあたりの物蔭から、りんを振り鳴らして、一同の前へ歩みだしてきた者があった。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天皇はそのためにわざわざお宮の戸のところへ大きなすずをおかけになり、置目おきめをおめしになるときは、その鈴をお鳴らしになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
こしすずがリリンリリンと、足をかわすごとに鳴りつづけ、やがて、リッ と鳴りやんだのが、大石先生の家の縁先えんさきである。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
おねがいでございます、道人さま。兄がきょうの昼ごろには、この先のすずもりではりつけにされることになっております。……
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
自働車のラツパが鳴る、馬車の轍音がする、更に耳を澄すと無数の自転車のベルの音が絶え間なく、巡礼の群がおし寄せてゐるかのやうに続いてゐる。
村のストア派 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
交換の方にも厳命が下って、単に受話器を持上げただけで、直ちに警部の卓上電話と接続され、消魂しいベルの音が鳴り響こうという趣向である。
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
検事が読み終った時、法水は外出着に着換えて再び現われた。が、またも椅子深く腰を埋めて、折から執拗に鳴り続ける、電話のベルに眉をひそめた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
いけあしそよぎにうつくしい小波さゞなみちました——ガラ/\茶碗ちやわんはチリン/\とひゞすゞ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
仁三郎は全くの一人者で、金も係累けいるゐも、人に怨を買ふおぼえもなく、その上、賽錢さいせん箱が無事で、取られた物といつては、拜殿のすゞだけ。
社前しやぜんすゞのふりたるさま、紅白こうはくつなながくれて古鏡こきようひかかみさびたるもみゆ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
驚くうちは楽がある! 女は仕合せなものだ! うちへ帰って寝床へ這入はいるまで藤尾の耳にこの二句があざけりれいのごとく鳴った。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雅楽頭は歩いていって、元の席に坐り、文台ぶんだいの上のれいを取って鳴らした。そして、懐紙を出してぐいぐいと顔を拭き、それを繰り返したあと、もういちど鈴を鳴らした。
法衣ころも袈裟けさの青や赤がいかにも美々しく入り交って、経を読む声、れいを振る音、あるいは栴檀沈水せんだんちんすいかおりなどが、その中から絶え間なく晴れ渡った秋の空へ
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ですから、其の持つて居る道具にしても、旧ぶしの方は伏鉦を叩くきりですが、新ぶしの方は、鉦は勿論ありますし、それに長さ三尺位なリンを持ちます。
入庵雑記 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
(二) 語尾音にはン音や入声にっしょうのt音も用いられることとなった。「マン」「リン」「筆」Fit「鉄」tetなど。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
今からお昼のリンが鳴るまで、ママ先生のお話があるさうですから、しばらくさうしていらつしやい。
ママ先生とその夫 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
板橋がよひのがたくり馬車がつじを曲りかけてけたゝましくべるを鳴らしてゐた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まもなく寒い外にくるまべるがなりひゞいて、背の小さな青い顔の、黒い服を着た男が入って来た。すると産婆が急に席をうごいて、口をゆがめて笑ひながら医者に長い挨拶をした。そして彼女は話し出した。
かなしみの日より (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
もとより発車をしらせるべるも無ければ、
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
柏井かしわいすうちやんがお嫁に来てくれれば、わたしの仕合は言ふまでもない、雅之もどんなにか嬉からう。子を捨てるやぶは有つても、懲役に遣る親は無いぞ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「まだ沢山時間が有るからゆつくり出来る。さあ、すうさん、お茶をお上んなさい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それは、すうさん、言ふまでもありはしない。私もこんな目にさへはなかつたら、今頃は家内三人でむつましく、笑つて暮してゐられるものを、と思へば猶の事、私は今日の別が何ともいはれないほど情無い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
海老茶色のすヾさくさがつて居る。
・死ねない人のレイが鳴る
行乞記:01 (一) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)