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鈴
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ベル
ふりがな文庫
“
鈴
(
ベル
)” の例文
モルトナス島の慘劇發見からわづか五日目の三月七日の月曜の夕方午後五時といふに主任警部室の電話の
鈴
(
ベル
)
がけたたましく鳴り響いた。
死の接吻:スウェーデンの殺人鬼
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「これは……」と龍介君が云った時電話の
鈴
(
ベル
)
が突然激しくなり出した。博士が受話器をとった。電話は山川少将宅からだった。
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
わたしの司祭館のドアの
鈴
(
ベル
)
が長くはげしく鳴りだしたのです。老婆が立ってドアをあけると、一つの男の影が立っていました。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
博物館の門は
立
(
たち
)
ん
坊
(
ばう
)
の指先で押した
鈴
(
ベル
)
に
由
(
よ
)
つて
開
(
あけ
)
られ、僕は中庭へ
入
(
はひ
)
つたが、番人の妻は縦覧時間が過ぎたと云つて謝絶した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ザビーネの
仕度
(
したく
)
がととのわないうちに、
小婢
(
こおんな
)
が帰ってしまうこともたびたびだった。すると客は、店の入口の
鈴
(
ベル
)
を鳴らした。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
交換の方にも厳命が下って、単に受話器を持上げただけで、直ちに警部の卓上電話と接続され、消魂しい
鈴
(
ベル
)
の音が鳴り響こうという趣向である。
ロウモン街の自殺ホテル
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
追い立てられるように非常
鈴
(
ベル
)
は鳴ったけれど、李鴻章だけは、水煙管を
咥
(
くわ
)
えたまま、
吃驚
(
びっくり
)
した表情もあらわさなかった。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は、半ば
唖
(
あ
)
ッ
気
(
け
)
にとられながら、その釦を押した。何処かで、かすかに合図の
鈴
(
ベル
)
が鳴ったようだ——。どうも実に風変りなバー・オパールである。
白金神経の少女
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
自働車のラツパが鳴る、馬車の轍音がする、更に耳を澄すと無数の自転車の
鈴
(
ベル
)
の音が絶え間なく、巡礼の群がおし寄せてゐるかのやうに続いてゐる。
村のストア派
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
社長のお供をして旅行に出ても、事を欠かさないようにと思って、洋服を着たまゝ寝たものです。社長が
鈴
(
ベル
)
を鳴らせば、直ぐ起きて行って、そのまゝ用が足せます
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そのかくし
鈴
(
ベル
)
は人間が楽にはいられるくらいの大きさで、鉄の
締金
(
しめがね
)
と
鋲
(
びょう
)
とで厳重に釘付けにされていた。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
表の往来から聴えて来る
威勢
(
いせい
)
のいい玄米パンの呼声、自動車の警笛、自転車の
鈴
(
ベル
)
、そして、障子を照す
眩
(
まぶ
)
しい白日の光、どれもこれも、彼の暗澹たる計画に比べては
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
やがて
鈴
(
ベル
)
が鳴ると、ココフツォフを先頭に一同ぞろぞろと、改札口から舞台の、奥の雪で明るいプラットフォウムへ出て行く。遠くから汽車の音が近づいて来ている。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
新橋
(
しんばし
)
を渡る時、発車を知らせる二番目の
鈴
(
ベル
)
が、霧とまではいえない九月の朝の、
煙
(
けむ
)
った空気に包まれて聞こえて来た。
葉子
(
ようこ
)
は平気でそれを聞いたが、車夫は宙を飛んだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
軈
(
やが
)
て
鈴
(
ベル
)
が鳴る、此の場合に於ける生徒等の耳は
著
(
いちじる
)
しく鋭敏になツてゐた。で鈴の第一聲が鳴るか鳴らぬに、ガタ/\廊下を踏鳴らしながら、
我先
(
われさき
)
にと解剖室へ駈付ける。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「ここです」天辰の主人が玄関の戸をあけると、その
鈴
(
ベル
)
の音で
二十
(
はたち
)
前後の娘が出て来た。唇をきっと結び、美しい眼をじっと見据えたその顔を見た途端、どきんとした。
世相
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
晩餐の
鈴
(
ベル
)
が鳴つた。そして彼はその他に一言も云はずに俄に立ち去つてしまつた。その日中、私は彼に會はなかつた。そして翌朝彼が起きないうちに出發してしまつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
実際癩病患者が自分たちの歩いていることを人々に警告するために頸に
鈴
(
ベル
)
を付けているように、彼の頸にも鈴を付けさせようと提議されたが、夜などに突然その鈴の音が
世界怪談名作集:14 ラザルス
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
歩いている
周囲
(
まわり
)
が
賑
(
にぎや
)
かになった。明りも
点
(
つ
)
いていて物音もする。町を走る車輪の音、電車の
鈴
(
ベル
)
や笛の音、頭の上を走る重い汽車のはためく音などがする。女はぎっくりした。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
新聞社の編輯局独特の深夜の緊張が
四辺
(
あたり
)
を支配して、電話の
鈴
(
ベル
)
の音、ザラ紙の原稿紙に鉛筆の走る音、校正の読み合せの声——などが、
漸
(
ようや
)
く活気付いて来た工場の雑音を背景に
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちやるめらを吹く、さゝらを
摺
(
す
)
る、
鈴
(
ベル
)
を鳴らしたり、小太鼓を打つたり、
宛然
(
まるで
)
お
神楽
(
かぐら
)
のやうなんですがね、
家
(
うち
)
が
大
(
おおき
)
いから、遠くに聞えて、夜中の、あの魔もののお
囃子
(
はやし
)
見たやうよ
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、またも椅子深く腰を埋めて、折から執拗に鳴り続ける、電話の
鈴
(
ベル
)
に眉を
顰
(
ひそ
)
めた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その間に、電話の
鈴
(
ベル
)
がひびいて取次がれた、彼女は輝く手でまぶたをおさえながら
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
七月三十一日午後六時
過
(
すぎ
)
の事、阪神電車の梅田停留場から神戸行の電車に乗込んだ。
鈴
(
ベル
)
が鳴つて電車がこれから出かゝらうとした時、席の真中程から
慌
(
あわたゞ
)
しく
衝立
(
つゝた
)
ち上つた若い男がある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
街はひどい霧でね、その中にけたたましい電車の
鈴
(
ベル
)
です自動車の
頭灯
(
ヘッドライト
)
です。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
午餐
(
おひる
)
の
鈴
(
ベル
)
が鳴って、食堂に降りて行くのもしぶしぶなくらいでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
だから、この掛ける所は上に上って、受話器を外してあるのと同じ事になっていたのだ。その証拠には今電話が掛って来た時に、リンリンと
鈴
(
ベル
)
が鳴らないで、ジージーコツコツと小さい音がしたのだ。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
議長の卓上には書類
堆
(
うずたか
)
く積まれて開会の
鈴
(
ベル
)
を待ちつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
鈴
(
ベル
)
の
釦
(
ボタン
)
を押す。ボーイが来る。煽風機が廻り出す。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
運転手への相図の
鈴
(
ベル
)
の綱をやけに引張った。
電車停留場
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
捨吉はその木戸の前に立って
鈴
(
ベル
)
を押した。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
鈴
(
ベル
)
がなるよう働らいた今日のをはりの
行乞記:03 (二)
(新字旧仮名)
/
種田山頭火
(著)
幾等
(
いくら
)
鈴
(
ベル
)
を鳴らしても戸が明かないので、仕方なしに門の石段の上へ
革包
(
かばん
)
を据ゑて其れに腰を掛けて二人で書物を読んで居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一時半、二時——電話は来るか、来るか——と、来た——
鈴
(
ベル
)
が鳴るとジュッド医師は、顔色を変えて椅子に飛び上った。
アリゾナの女虎
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
その時ヤンセンは少しずつ
卓子
(
テーブル
)
へ近寄って、龍介に気づかれぬように、床板に取りつけてあるスイッチを踏んだ。リーンという
鈴
(
ベル
)
の音がちかくでした。
黒襟飾組の魔手
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
清一はそつと格子戸に手を掛けると、努めて静かに開けたつもりだつたが、けたゝましい
鈴
(
ベル
)
の音がして夥しい気おくれがした。その音で出て来た女中の里が
清一の写生旅行
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
卓子
(
テーブル
)
へ人を集める
客引き
(
ラバテュウル
)
——この成語はナポレオン当時募兵員が
巴里
(
パリー
)
の街上に立って通行人に出征を勧誘した故事から来ている——やがて、開会の
鈴
(
ベル
)
を聞いた代議士のように
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
ちやるめらを
吹
(
ふ
)
く、さゝらを
摺
(
す
)
る、
鈴
(
ベル
)
を
鳴
(
な
)
らしたり、
小太鼓
(
こだいこ
)
を
打
(
う
)
つたり、
宛然
(
まるで
)
お
神樂
(
かぐら
)
のやうなんですがね、
家
(
うち
)
が
大
(
おほき
)
いから、
遠
(
とほ
)
くに
聞
(
きこ
)
えて、
夜中
(
よなか
)
の、あの
魔
(
ま
)
もののお
囃子
(
はやし
)
見
(
み
)
たやうよ
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五分
鈴
(
ベル
)
が鳴ると、女将は、のび上がって、一等車のなかをのぞいた。華族のお孫になってこれから東京の邸へ迎えられようとする豆菊とトム公とは生れ代ったように、品よく見えた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
給仕の声と電話の
鈴
(
ベル
)
の音が、千種十次郎の横着な夢想を破りました。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
突然電話の
鈴
(
ベル
)
が鳴って、その一瞬を境に、事態が急転してしまった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「早く
鈴
(
ベル
)
を鳴らして
被下
(
ください
)
、早くしないと死んで仕舞いますよ」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
発車の
鈴
(
ベル
)
鳴らす車掌君の顔色さへ
羞耻
(
おもはゆげ
)
に見ゆめり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
船中の警戒の
鈴
(
ベル
)
が鳴り響いて、命令の声々が慌しく飛び交す。機関の音が調子を低めた。
運命のSOS
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「英語を話します」「
独逸
(
ドイツ
)
語もわかります」と窓に広告してある。這入ってみる。マネケンの置物、マネケンの
鈴
(
ベル
)
、マネケンの灰皿、マネケンの
匙
(
さじ
)
、マネケンの Whatnot ——。
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
と、その時電話の
鈴
(
ベル
)
が烈しく鳴って、横須賀から電話が掛ってきた。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
込むとも。東京のよりも込む。東京よりも賑かだと言うと妙だけれど実際此方の方が人口
稠密
(
ちゅうみつ
)
だからね。往来が雑沓するんで市内電車にしても東京見たいに
鈴
(
ベル
)
ぐらいでは人が避けないから、そのポーッポーッと空気ラッパを
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
固
(
もと
)
より発車を
報
(
し
)
らせる
鈴
(
ベル
)
も無ければ
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ホテルの私の部屋で、電話の
鈴
(
ベル
)
が私を驚かしたのは、その日の午後だった。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
間もなく
鈴
(
ベル
)
が鳴って汽車は動き出した。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“鈴”の意味
《名詞》
(すず)中空で中に玉等が入っていて、振ると音が出る鳴物。
(りん、れい)仏前で鳴らす鐘
(出典:Wiktionary)
“鈴”の解説
鈴(すず)とは、音を出す道具のひとつ。
(出典:Wikipedia)
鈴
常用漢字
中学
部首:⾦
13画
“鈴”を含む語句
馬鈴薯
電鈴
振鈴
呼鈴
鈴生
鈴懸
鈴索
馬鈴薯畑
鈴蘭
警鈴
鈴鹿
鈴木
鈴木三重吉
鈴鹿峠
五十鈴川
鈴虫
小鈴
唖鈴
鈴子
銅鈴
...