“著”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
20.4%
いちじる18.7%
16.7%
あらわ6.7%
しる6.5%
いちじ6.3%
あら5.2%
あらは2.8%
2.2%
ちゃく1.5%
いちじるし1.5%
シル1.1%
0.9%
つき0.9%
0.7%
ちやく0.7%
ちょ0.7%
イチジル0.7%
いちゞ0.4%
あらはし0.4%
ちよ0.4%
つけ0.4%
ぢやく0.2%
0.2%
0.2%
いち0.2%
いちじろ0.2%
いちぢ0.2%
いちぢる0.2%
いやちこ0.2%
おご0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
なづ0.2%
0.2%
0.2%
セシム0.2%
ヂヤク0.2%
ツク(?)0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いた晩はどうもなかつたの。繪端書屋の女の子が、あたしのお煎餅せんべを泥坊したのよ。それをあたしがめつけたんで大騷ぎだつたわ。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
帽子屋ばうしやはこれをいていちじるしくみはりました、が、つたことは、『何故なぜ嘴太鴉はしぶとがらす手習机てならひづくゑてるか?』と、たゞこれだけでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
父は家人の騒ぐのを制して、はかま穿きそれから羽織をた。それから弓張ゆみはりともし、仏壇のまへに据わつて電報をひらいたさうである。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
この事については私も娘読本をあらわす時くわしく意見を書くつもりですが簡略に申せばず英国風の習慣を採用するのが上策かと思います。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
時鳥ほととぎす啼くや五尺の菖蒲あやめ草を一杯に刺繍ぬいとった振り袖に夜目にもしるき錦の帯をふっくりと結んだその姿は、気高く美しくろうたけて見える。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「うむ、なあにれもそれから去年きよねんあき火箸ひばしばしてやつたな」卯平うへいういつてかれにしてはいちじるしく元氣げんき恢復くわいふくしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
秦王しんわうのちこれい、ひとをしてこれゆるさしむれば、すでせり。申子しんし韓子かんしみなしよあらはし後世こうせいつたふ、(一二一)學者がくしやおほり。
壽阿彌は一部の書をもあらはさなかつた。しかしわたくしは壽阿彌がいかなる書をも著はすことを得る能文の人であつたことを信ずる。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
巨勢が「アトリエ」に入りて見しに、彼はこの三日がほどに相貌そうぼう変りて、るくせたる如く、「ロオレライ」の図の下にひざまずきてぞゐたりける。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
戸沢の勧誘には、この年弘前にちゃくした比良野貞固さだかたも同意したので、五百は遂にこれに従って、専六が山田氏に養わるることを諾した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
加ふるに印刷業の発達は一般の学問にいちじるしき進歩を与へたるが如く、俳諧もまたこれによりて都鄙遠境に波及し、たちま未曾有みぞうの盛運に達するを得たり。
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
……心はよりて「朝露之消者可消ノケナバケヌベク」恋ふらくも シルくもあへる隠りづまかも(同巻十三)
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
納棺の時にはごく新しい晴れを著せ、ふだん好きなおもちゃを添え——泥人形一つ、小さな木碗二つ、ガラス瓶二本——枕辺まくらべに置いた。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「先陣既に黄瀬川、沼津につきぬれば、後陣の人は、美濃、尾張にみちみちたる」とあるくらいだから、正に天下の大軍である。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
仏言う今より蛇をあみする者は突吉羅罪ときらざいとす、器に盛り遠く無人処にくべしと。
まあ考へて見たまへ、君達は素つ裸でこの国にうまれて来たらうが、僕達はぼろぼろだつたけれど、ズボンを一ちやくに及んでたんだからね。
花は、率直そっちょくにいえば生殖器せいしょっきである。有名な蘭学者らんがくしゃ宇田川榕庵うだがわようあん先生は、彼のちょ『植学啓源けいげん』に、「花は動物の陰処いんしょごとし、生産蕃息はんそくとりて始まる所なり」
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
萬法藏院の香殿・講堂・塔婆・樓閣・山門・僧房・庫裡、悉く金に、朱に、青に、晝よりイチジルく見え、ミヅカら光りを發して居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
尤も其日は大変ない天気で、広い芝生のうへにフロツクで立つてゐると、もうなつたといふ感じが、かたから脊中せなかへ掛けていちゞるしくおこつた位、そら真蒼まつさをとほつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
牧之ぼくしあんずるに、橘春暉たちばなしゆんきあらはしたる北囱瑣談ほくさうさだん(後編の二)蔵石家ざうせきかの事をいふくだりいはく、江州山田の浦の木之内古繁こはん、伊勢の山中甚作、大坂の加嶋屋源太兵ヱ、其外にも三都の中の好事家かうずか侯国こうこく逸人いつじん
ところで、どういふわけで、そんな子ともの私が寫眞しやしんなどはじめるやうになつたかといへば、そのころわたしは、三宅克巳氏ちよの「せう寫眞術しやしんじゆつ
アンペラをつけた馬が、尾をバサリと振るたびに、灰神楽はいかぐらをあげたように、黒いのが舞いあがる、この茶屋は車宿をしているが、蚕もやるらしく、桑の葉が座敷一杯に散らかって、店頭には駄菓子
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
三九七 人あり一切の結を斷ち、決して憂慼せず、ぢやくを去り繋を離れたるを我は婆羅門と謂ふ。
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せる おすひすそ
……其時、手で、今してる様にさはつて見たら、驚いたことに、おれのからだは、こんだ著物の下で、ホジシのように、ぺしやんこになつて居た——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
えりを返して日に当らない所を他の部分と比較して見ると、それがいちじるしく目立った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
想ふに姫の歸り來給ひしより、館の人々の我を遇し給ふさま、面色よりいはんも語氣よりいはんも、いちじろく温和に著く優渥いうあくなるは、この優しき人の感化に因るなるべし。
代助は五味台クルエツト、スタンドなかに、少しなゝめれた位地から令嬢のかほを眺める事になつた。代助は其ほゝの肉と色が、いちぢるしくうしろの窓からす光線の影響を受けて、鼻のさかひ暗過くらすぎるかげを作つた様に思つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
また美禰子の絵端書を取つて、二匹の羊と例の悪魔デヸルを眺め出した。すると、此方こつちのほうは万事が快感である。此快感につれて前の不満足は益いちぢるしくなつた。それで論文の事はそれぎり考へなくなつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だが火柱の主に逢い、そいつをとっくりと調べたら、うまい発明が出来るかも知れない。意地の悪いものさ今夜に限って、霊験いやちこな火柱大明神、ご出現遊ばさぬということだからな。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
季節はいつでもよいが、夏など口の不味まずい時に、これを饗応きょうおうすれば、たいていの口のおごった人でも文句はいわないだろう。
車蝦の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
「いざせ小床をどこに」「七重ななへるころもにませる児らが肌はも」「根白ねじろの白ただむき」「沫雪あわゆきのわかやる胸を」「真玉手またまで、玉手さしまき、ももながに、いをしなせ」「たたなづく柔膚にぎはだすらを」
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
メテ啼キ/新春恰モ好シ新棲ニ寄スルニ/片茅頂ヲおおヒテ多地無ク/断木門ヲささヘテ小蹊有リ/咸籍ノ流風叔侄ヲつらネ/機雲ノ廨舎東西ヲ占ム/蘆簾かかゲテ梅花ノ外ニ在ルモ/只欠ク斉眉挙案ノ妻〕この律詩に毅堂は
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
天草丸のいとるケエだるけん。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
諸々もろもろの子等は火宅ひのいへの内に嬉戯きぎに楽みなづみて、覚らず、知らず、驚かず、怖れず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
信濃路しなぬぢいま墾道はりみち刈株かりばねあしましむなくつ 〔巻十四・三三九九〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……さ寝むとは われは思へど、汝がせる おすひの裾に つきたちにけり(古事記中巻)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
セシム薙髮衣冠、悉遵本朝制度。(22)
支那人弁髪の歴史 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
家学の伝統に執する必要もなく、神仏にもヂヤクせず、当代の歌人に対しても、自由につき会つて居たやうだ。
弱腰ヨワゴシに なまものツク(?)蝦夷人エミシビト我日本ワガヒノモトの大刀 拝み見よ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)