“相貌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうぼう86.2%
すがた2.3%
さうばう2.3%
かおつき2.3%
かほだち2.3%
さうぼう1.1%
かお1.1%
かほつき1.1%
フイジオノミイ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新の相貌そうぼうはかくのごとく威儀あるものにあらざるなり。渠は千の新を合わせて、なおかつまさること千の新なるべき異常の面魂つらだましいなりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
怪異な相貌すがたが食はうとする。
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
拜するに目とほゝの間に凶相きようさうあらはれ中々以て高貴かうき相貌さうばうにあらず拙者の勘考かんかうには御證據の品は實ならんが御當人ごたうにん贋者にせものなりと決したり依て天下の爲再吟味を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何故なぜ梅子はあの晩泣いていたろう。自分が先生に呼ばれてその居間に入る時、梅子は何故あんな相貌かおつきをして涙を流して自分を見たろう。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さはいへ彼とても初めより、そを予期せしには非ざるべけれど、彼が君子然たる相貌かほだちの、計らず婦人の嗜好に投ぜしより、その境遇上自然さる傾きを助長し来りしならむ。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
二ではうたいの「善知鳥うとう」など、三では「阿漕あこぎ」、「鵜飼うがひ」などその適例てきれいである。幽靈ゆうれいがいして全體ぜんたい性質せいしつ陰氣いんきで、すごいものである。相貌さうぼうなども人間にんげん大差たいさはない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
思いのほかにたやすくはこびけるよ、とひそかに笑坪えつぼに入りて目をあげたる山木は、目を閉じ口を結びてさながらねぶれるごとき中将の相貌かおを仰ぎて、さすがに一種のおそれを覚えつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
車夫や物売りの相貌かほつきも非常に柔和であつて、東京中を横行する彼の恐しい工夫や職工や土方のやうなものは至つてすくない。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
人の相貌フイジオノミイに對しては殊に深い興味を有する予は、直ちに是等の人々の内から面白い表情や骨骼を搜し出したのである。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)