“睡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねむ77.2%
9.6%
ねむり4.0%
すい2.8%
ねぶ1.9%
まどろ1.2%
すゐ0.7%
やす0.7%
ねふ0.5%
つば0.5%
0.2%
いぬ0.2%
ねふり0.2%
ねぶり0.2%
まど0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
脚を重ねて椅子いすに座す。ポケットより新聞と老眼鏡とを取り出し殊更ことさらに顔をしかめつつこれを読む。しきりにゲップす。やがてねむる。
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
疲れた人のような五月の空は、時々に薄く眼をあいて夏らしい光をかすかにもらすかと思うと、またすぐにむそうにどんよりと暗くなる。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたしは、しもねむりをさました劍士けんしのやうに、ちついてきすまして、「大丈夫だいぢやうぶだ。ちかければ、あのおときつとみだれる。」
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
疲れているので、一同はそれから一すいの休息をとって、夜に入ってから、また何か重大な凝議ぎょうぎ一間ひとまめ切っていました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
覺えて鹽尻峠しほじりたふげも馬に遊ばんと頼み置きて寐に就く温泉にてつかれを忘れ心よくねぶりたれば夜の明けたるも知らず宿の者に催されてやうやくに眼を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
それでも明け方、ようやく窓のあたりが白んでくるのを認めると、何かほっとしたせいか、私はついうとうととまどろんだ。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「隣の隱居は、恐ろしくやかましい親爺で、——お蔭で一と晩一すゐもしなかつた、若い者と壁隣に住むのは容易の難行苦行ぢやねえ——と大むくれでしたよ」
看護婦は再びノッブを廻して次の室へとあらはれる。かすかに揺れ動いた風の気配に、壁にもたれてやすんでゐた若い保姆ほぼの一人が眼をさまして立ち上る。
水に沈むロメオとユリヤ (新字旧仮名) / 神西清(著)
さあ其事そのこと御座ござんすとて、ねふめたる懷中ふところまちがくすりくすりと嘩泣むづかるを、おゝと、ゆすぶつて言葉ことばえぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
八五郎はつばを吐きました。まさに一言もない姿です。平次はそんな事に構わず、相模屋の中に入って、いきなり事件の核心に触れて行きます。
女は、さこそ忘れ給ふをうれしきに思ひなせど、怪しく夢のやうなることを、心に離るる折なき頃にて、心解けたるだに寝られずなん。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いはんや明日よりはまつたく人跡いたらざるの地をさぐるに於てをや、嗚呼ああ予等一行はたして何れの時かよく此目的をたつするを得べき、想ふて前途のこといたれば感慨かんがい胸にせまり、ほとんどいぬる能はざらしむ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
一年ひとゝせせきといふ隣駅りんえき親族しんぞく油屋が家に止宿ししゆくせし時、ころは十月のはじめにて雪八九尺つもりたるをりなりしが、夜半やはんにいたりて近隣きんりん諸人しよにんさけよばはりつゝ立さわこゑねふりおどろか
昇のたんうばッて、叔母のねぶりを覚まして、若し愛想を尽かしているならばお勢の信用をも買戻して、そして……そして……自分も実に胆気が有ると……確信して見たいが、どうしたもので有ろう。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
じつ此度このたび大喪使長官様たいさうしちやうくわんさまといふのは、よるもトロ/\まどろみたまふ事もございませんといふ、大層たいそう御丁寧ごていねいおつしやいますから、わたくしどもにはしたまはらなくつてひにくいくらゐで
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)