“まどろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
微睡43.9%
12.2%
交睫9.8%
仮睡9.8%
目蕩4.9%
仮寝2.4%
坐睡2.4%
2.4%
少眠2.4%
甘睡2.4%
目眠2.4%
2.4%
睡眠2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あゝ藻西太郎は罪無きに相違なし」と呟き「罪なき者が何故に自ら白状したるや」と怪み、胸に此二個の疑団ぎだん闘い、微睡まどろみもせず夜を明しぬ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
取直してこゝろよくさしさゝれつのみたりしが何時しか日さへ暮果くれはてて兩人共睡眠ねむりの氣ざしひぢまくらにとろ/\とまどろむともなしに寢入ねいりしが早三かうころ靱負は不※ふと起上おきあがり其のまゝ爰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
暗く交睫まどろみつつある心の表に突然三味線が鳴り出したり御詠歌が聞えたりするのを、半ば無意識に聞くといふ事は、然し兎に角愉快な事であつた。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
しばらく仮睡まどろんでから眼が覚めて、さて枕元の時計を見ようとすると、どうした事か、胸の所が寝衣ねまきの両端をとめられているようで、また、頭髪かみのけが引っれたような感じがして
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
明け方になつて、彼女もいくらか目蕩まどろんだが、長つたらしい雨戸の繰り開けられる音に、やうやくにして捉へた曉の夢を破られた。山上の澄んだ朝の空氣は、さすがに氣持がよかつた。
新婚旅行 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
殿様のお手打てうちにでもさせる工夫はないかと、いろ/\と考え、しまいには疲れてとろ/\仮寝まどろむかと思うと、ふと目が覚めて、と見れば、二けんへだっているふすまがスウーとあきます。
するうちにいつか知らうとうとと坐睡まどろんでしまった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
別段辛い顔もせぬ、娘の心の優しさに、父の心も和らぎけむ、摩擦られながら、うとうととまどろみかかりぬ。
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
海を渡って少眠まどろむ内、諸竜にその珠を盗まれしが、眼覚めて、珠をとりかえさずばついに空しく帰らじと決心し、一の亀甲をって海水を汲みさんとした。
飲んだ。それから十分ばかり経つと、疲れが出てうつらうつらと甘睡まどろんだ、二時を打つ時計の音ではっと眼が醒めると、西側の壁に朱色の文字が書附かきつけてあった——そうでしょう
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
藁苞わらづとよりそろ/\と出しこししつかとゆひつけ之までかぜを引たりと僞り一ト夜も湯には入らざるのみか夜もろく/\に目眠まどろまず心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
す事もあらねば、貫一は臥内ふしどに入りけるが、わづかまどろむと為ればぢきに、めて、そのままにねむりうするとともに、様々の事思ひゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それは、其夜の事であるが、嘆き疲れた純八が、思わず睡眠まどろんだ其際に、一つの夢を見たのである。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)