仮睡まどろ)” の例文
旧字:假睡
仮睡まどろんでいた月は静かに一廻りして皎々と照り出します。いつか出て来たお婆さんはその中で、楽しそうに美しい絹糸を巻き始めました。
ようか月の晩 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
しばらく仮睡まどろんでから眼が覚めて、さて枕元の時計を見ようとすると、どうした事か、胸の所が寝衣ねまきの両端をとめられているようで、また、頭髪かみのけが引っれたような感じがして
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それまでは仮睡まどろんでいたような市が、まるで旋風のように沸きたったのである。
仮睡まどろみゐたりし私を運び、風神は