“痙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
45.5%
18.2%
ひき9.1%
ひきつ9.1%
ひっ9.1%
ふる9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は絶えず、小びんの毛を掻きむしっては荒い吐息をつき、また、それにつれて刻み畳まれたしわが、ひくひくと顔一面に引っれくねってゆくのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
Mはやや静まりかけた頭で学生の怪しい行動を考えていたところで、蒲団の端をさっとくられた。そこには学生の蒼褪あおざめきつった顔があった。
死体を喫う学生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ととかかの生きてゐるあひだから無理無態にしてけふまで引きずつて來たのぢやないか、それをさ、時々ひきつけるやうになつて別れろ失せろつて、一たい、おめえはそれでも正直な人間かい
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
そして顏は今にも泣き出しさうに、痛ましくひきつつた。
明らかに彼は、何事か扉の彼方に、忌怖きふすべきことを意識しているらしい。がやがて、旗太郎は、顔面をビリリと怒張させて、醜い憎悪の相を現わした。そして、ひっつれたような声を前方に投げた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そして三階の階段にかかった足音を耳に入れると、女の手さきは小さい包みをったまま、すこしずつふるえはじめた。
三階の家 (新字新仮名) / 室生犀星(著)