“ひっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
81.9%
5.7%
3.8%
2.9%
1.9%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うしろに、細君であろ、十八九のひっつめにって筒袖つつそで娘々むすめむすめした婦人が居る。土間には、西洋種の瓢形ふくべがた南瓜かぼちゃや、馬鈴薯じゃがいもうずたかく積んである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ゆえに私塾の教師は必ず行状よきものなり。もし然らずして教師みずから放蕩無頼を事とすることあらば、塾風たちまち破壊し、世間の軽侮をとることひっせり。
いらっしゃれば大概二週間位は遊興をお尽しなさって、その間は、常にひっそりしてる市中が大そうにぎやかになるんです。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
いわんや、人の魂気存して異形をあらわし、霊をなすこと、おのおの物に着するの情、ひっするが故なり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼はまず現在の自分が許す限りの勇気をひっさげて、公案に向おうと決心した。それがいずれのところに彼を導びいて、どんな結果を彼の心に持ちきたすかは、彼自身といえども全く知らなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、いいかけて、ひっついた咽喉のどを、咳ばらいをして
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
明らかに彼は、何事か扉の彼方に、忌怖きふすべきことを意識しているらしい。がやがて、旗太郎は、顔面をビリリと怒張させて、醜い憎悪の相を現わした。そして、ひっつれたような声を前方に投げた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
見ると、岩をけずって、数行すうぎょうの文字が小柄こづかりのこされてある。それは、うたがう余地よちもなく、果心居士かしんこじらしい枯淡こたんひっせきで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左枝の、支える側から流れてゆく、跫音あしおとのみが高く、この一座はあまりにもひっそりとしていた。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)