“枯淡”の読み方と例文
読み方割合
こたん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると、岩をけずって、数行すうぎょうの文字が小柄こづかりのこされてある。それは、うたがう余地よちもなく、果心居士かしんこじらしい枯淡こたんひっせきで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一匹のかえるが、古池に飛び込んだ」と訳しただけでは、俳句のもつ枯淡こたんなさび、風雅のこころ、もののあわれ、といったような、東洋的な「深さ」は
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
水の中に倒れて、その葉もすでに朽ち、折れた茎の乱れ立つ中に空になった蓮の実のところどころに残っている形には枯淡こたんの趣が味い得られるからであろう。
枯葉の記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)