“ひか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒカ
語句割合
41.2%
26.4%
落籍7.3%
5.0%
2.3%
2.1%
2.1%
1.3%
緋鹿1.3%
乾枯1.0%
(他:48)10.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それがむかふくるまあたつて、まはたび鋼鉄はがねの如くひかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あしひきのやまさへひかはなりぬるごときおほきみかも 〔巻三・四七七〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
今たしかには覚えていないけれども、不安な未来を眼先にひかえて、その日その日の出来栄できばえを案じながら病む身には
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが小初にはそんなことはどうでも、遠泳会の後にひかえている貝原との問題を、どう父に打ち明けたものかしらと気づかわれる。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
大阪のやうな土地柄では名妓の落籍ひかされる場合などには、以前の関係筋が寄つてたかつて葬式をするのも面白からう。
姉の話によるとおきえさんは生粋の新潟美人で、何んでも古街で左褄をとっていた頃父に落籍ひかされたとのことであった。
(新字新仮名) / 矢田津世子(著)
船頭は客よりも後ろの次のにいまして、丁度お供のような形に、先ずは少し右舷うげんによってひかえております。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いやいやかれに限つては、乃公を真底主人ぞと、あがむればこそ、勝気のかれが、もの数さへにいひかねて、ひかえ目がちの、涙多。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
餓えたる虎のごとき眼をひからせて、彼はあたりを睨みまわしたので、賊徒は恐れて手を引いて、女の節操は幸いに救われた。
「え、お前さんは僕の親父を知っているのか。」と、市郎は不審の眼をひからせると、男はたちまかしらった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
女房は暗がりの路次に足をひかれ、穴へ掴込まれるやうに、頸から、肩から、ちり毛もと、ぞッと氷るばかり寒くなつた。
夜釣 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お島はとぼとぼと構内を出て来たが、やっぱり後髪うしろがみひかるるような未練が残っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
洗場あらいばながしは乾く間のない水のために青苔あおごけが生えて、触ったらぬらぬらしそうにひかっている。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
台所の戸の開捨てた間から、秋の光がさしこんで、流許ながしもと手桶ておけ亜鉛盥ばけつひかって見える。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さては往来ゆききいとまなき目も皆ひかれて、この節季の修羅場しゆらばひとり天下てんかくらへるは
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すでにこの河面に嫌厭けんえんたるものをきざしているその上に、私はとかく後に心をひかれた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
くる/\と解いたお半の扱帶、同じ緋鹿ひか子絞こしぼりを、自分の手で土藏の窓からサツと、外へ投げかけました。
くるくると解いたお半の扱帯、同じ緋鹿ひか子絞こしぼりを、自分の手で土蔵の窓からサッと、外へ投げかけました。
細君というのは、ちいさな、乾枯ひからびた大根のような感じのする女で、顔中に小さなしわがいっぱいあった。
再度生老人 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
咳払せきばらいをなされた木戸博士は、乾枯ひからびた色艶のわるい指頭ゆびさきを Fig. 1 に近づけられて仰有おっしゃった。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は、納屋の天窓の細引きを力任せにグイと引いた。——青空が、赫つと私の頭上に展けた。ひかりの円筒が颯つと私の体を覆ふた時、私は、
鬼の門 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
これらの幾条かの獅子頭の滝は豊かな水勢に満ちて返つて音もなく、落着き払つて、ひかりに映えながら悠々と、玉座に躍り続けてゐる噴泉を守つてゐた。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
しかし病弱であればこそ、そうやって筆もられるので、そうでなかったら勅任教授か何かで、大学あたりの教壇で干涸ひからびてしまうに相違ない。
日本探偵小説界寸評 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私は頭がガンガンして、口の中が干涸ひからびて、奇態に体が顫えるのが自分でも分りました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
山らしいものの一つも見えない空は冬でもかんかんとが照りわたり、干乾ひからびたわだちの跡と茫々とした枯草が虚無のようにひろがっていた。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
が眼には涙が干乾ひからびてゐた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
さばきの悲歌ひか
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
往々おうおう悲歌ひかしてひと流涕りゆうていす、君山くんざん剗却さんきやくして湘水しようすい平に桂樹けいじゆ砍却しやくきやくして月さらあきらかならんを、丈夫じようふ志有こころざしありて……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
五十あまり老夫おやぢのこれも戸惑とまどひしてきつもどりつせし揚句あげく、駅夫にひかれて室内に押入れられ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一時を快くする暴言もつひひかもの小唄こうたに過ぎざるをさとりて、手持無沙汰てもちぶさたなりを鎮めつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それフィオレンツァはその昔の城壁——今もかしこより第三時と第九時との鐘聞ゆ——の内にて平和を保ち、かつひかへかつつつしめり 九七—九九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
悪戯いたづらなくせに、大飯食おほめしぐらひばかり揃つて居て——はゝゝゝゝ、まあ君だから斯様こんなことまでも御話するんだが、まさか親の身として、其様そんなに食ふな、三杯位にしてひかへて置け、なんて過多あんまり吝嗇けち/\したことも言へないぢやないか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
やがてのこと、青白い耀ひかりに照らし出された井戸の底に、水はなくてもが燃え、人の形のかすかに動いているのが、八丁堀三人の視線を捉えた。
柿本人麿が新田部にいたべ皇子にたてまつった長歌の反歌で、長歌は、「やすみしし吾大王おほきみ、高耀ひか皇子みこきいます大殿おほとのの上に、ひさかたの天伝あまづたひ来る、雪じもの往きかよひつつ、いや常世とこよまで」という簡浄なものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
五万円に近い大金を投じて、落藉ひかした愛妓あいぎに対するほどの感情をも持っていなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
五万円に近い大金を投じて、落藉ひかした愛妓に対するほどの感情をも持つてゐなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
いっそ水を飲まぬ方が手短に片付くとは思いながら、それでもしやにひかされて……
唯私にひかされたのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
毒のはなのような妖女ようじょの手が動いて、黄昏の空気がキラリとひかったのは、彼女のかざした薄刃のナイフだったであろう。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「恋がおこると九寸五分が紫色にひかると云うのです」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼は泣き腫らして、唇の皮が厚くひからびて、堅く死骸に抱き付いたまま身動きすらしなかった。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「昔」を負うて孤独ひとりの路を喘いでゐる僕は乾涸ひからびた朽木のやうな侘びしさに溺れてしまふ。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
横倒しになっている主税の足許に、その縁を白く微光ひからせながら、淀屋の独楽が転がっている。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
重太郎は宝に心をひかされて、徒爾いたずらに幾日かを煩悶のうちに送った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これらの言葉我をひかへしめたれば、我はこの問を棄て、自らひかへつゝたゞへりくだりてその誰なりしやを問へり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
つづいてひからびた骨があらわれた。
若い医者は、比嘉ひかといふ名前で、先代は琉球りうきうの生れだと云ふ事である。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
比嘉ひかもなかなかやつて来てはくれない。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
お前は誰だと問うたら、国ツ神で名を氷鹿ひかという者だと答えた。
安に問いて曰く、淝河ひかたたかい、公の馬つまずかずんば、何以いかに我を遇せしぞと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さすがは場数ばかずを踏んだ巡査部長だけあって、口ではおどろいても、態度はしっかりしたものだ。腰をかがめると、火掻ひかぼうで、その肋骨らしいものを火のなかから手前へ掻きだした。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)