“ひか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒカ
語句割合
44.9%
23.5%
落籍7.0%
4.5%
2.3%
2.1%
2.0%
1.1%
乾枯1.1%
緋鹿1.1%
0.9%
干涸0.9%
0.5%
0.4%
乾涸0.4%
干乾0.4%
悲歌0.4%
火掻0.4%
0.4%
0.4%
耀0.4%
落藉0.4%
0.4%
0.4%
非耶0.4%
比嘉0.2%
0.2%
乾干0.2%
0.2%
廃業0.2%
微光0.2%
0.2%
0.2%
氷鹿0.2%
淝河0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
脾下0.2%
0.2%
贔屓0.2%
退0.2%
鄙歌0.2%
非乎0.2%
非歌0.2%
飛過0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そとで、たこのうなりごえがする。まどけると、あかるくむ。絹糸きぬいとよりもほそいくものいとが、へやのなかにかかってひかっている。
ある少年の正月の日記 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一体いつたい東海道とうかいだう掛川かけがは宿しゆくからおなじ汽車きしやんだとおぼえてる、腰掛こしかけすみかうべれて、死灰しくわいごとひかへたから別段べつだんにもまらなかつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
程なく兄は或る藝妓を落籍ひかして夫婦になつた。智惠子は其賤き女を姉と呼ばねばならなかつた。遂に兄の意に逆つて洗禮を受けた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ただしアプレウスの書に無花果いちじくの一種能く屁放らしむるを婦女避けて食わずとあれば、婦女はなるべくひかえ慎んだらしいとあって
父と下町へ行くのはいつも私の楽しみにして居たことで、此日もかういはれるとうれしくてたまらず、父の手にひかれてイソ/\行升ゆきました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
家の柱縁側えんがわなぞ時代つきて飴色あめいろに黒みてひかりたるに障子の紙のいと白くのりの匂も失せざるほどに新しきは何となくよきものなり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
鏡の周囲には奇異なる彫刻があって、店の主人がそれを運んだ時、輝いている灯に映じても、さのみにひからなかった。
すでにこの河面に嫌厭けんえんたるものをきざしているその上に、私はとかく後に心をひかれた。何という不思議なこの家の娘であろう。この娘にも一光閃も、一陰翳もない。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
銀座から日本橋界隈かいわいの街通りは、立派と云えば立派だけれども、何か空気がカサカサ乾枯ひからびているようで、彼女などには住みよい土地とは思えなかった。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼女は緋鹿ひかの子の帯揚おびあげが胸のところにこぼれているのを見つけだすと、あわてたように帯の間にたくしこんで、胸をかたく合せた。藤紫の半襟が、なるべく隠れるように襟元をつめた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その水煙りに似たひかりを蹴散らして魚のやうに飛び回つてゐるので、何れが誰れやら男達の眼には一向区別もつかなかつた。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
しかし病弱であればこそ、そうやって筆もられるので、そうでなかったら勅任教授か何かで、大学あたりの教壇で干涸ひからびてしまうに相違ない。
日本探偵小説界寸評 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一時を快くする暴言もつひひかもの小唄こうたに過ぎざるをさとりて、手持無沙汰てもちぶさたなりを鎮めつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
案事あんじけれどもお菊がなさけひかされて毎夜々々通ひはなすものゝ何時もとまる事なく夜更よふけて歸りけるが今夜も最早もはや丑刻やつすぎ頃馬喰町へぞ歸りける然るに先刻さきより樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
晴れるとも曇るとも思案の付かない空が下界を蔽い、本郷一帯の高台たかだいを吹き廻る風はヒューヒュー鳴って、大学前の大通りを通る程の物が、カサカサと乾涸ひからびた微かな音を立てゝ居た。
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そして泣けるなら泣きいと思つた。が眼には涙が干乾ひからびてゐた。私はぢつとしてゐられなくなつた。何かしなくちやならないが何もできなかつた。それで無意識に立上つて次の間へ行かうとした。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
さすがは場数ばかずを踏んだ巡査部長だけあって、口ではおどろいても、態度はしっかりしたものだ。腰をかがめると、火掻ひかぼうで、その肋骨らしいものを火のなかから手前へ掻きだした。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
てら/\ひかる顔ではない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
悪戯いたづらなくせに、大飯食おほめしぐらひばかり揃つて居て——はゝゝゝゝ、まあ君だから斯様こんなことまでも御話するんだが、まさか親の身として、其様そんなに食ふな、三杯位にしてひかへて置け
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
二、三秒、暗黒に慣れた瞳がくらんだ。やがてのこと、青白い耀ひかりに照らし出された井戸の底に、水はなくてもが燃え、人の形のかすかに動いているのが、八丁堀三人の視線を捉えた。
が、結婚の式場につらなるまで、彼は瑠璃子を高価たかねあがなった装飾品のようにしか思っていなかった。五万円に近い大金を投じて、落藉ひかした愛妓あいぎに対するほどの感情をも持っていなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
けれども、如何仕様どうしようも無い、って行く外はない。咽喉のどは熱してげるよう。いっそ水を飲まぬ方が手短に片付くとは思いながら、それでもしやにひかされて……
「恋がおこると九寸五分が紫色にひかると云うのです」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
太陽の熱をして寓在して松樹柏樹の枝幹莖葉を成さしむる所以のものは是力歟ちからか非耶ひか、若し是力ならずんば何物の之をして然らしむるぞや、又若し是力ならんには、此の力は如何にして生じ
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
比嘉ひかもなかなかやつて来てはくれない。ゆき子は、何故か、静岡へ手紙を出したかつた。継母へあてて手紙を書きたかつたが、考へてゐるうちにまた気も変つてくる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
若い医者は、比嘉ひかといふ名前で、先代は琉球りうきうの生れだと云ふ事である。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
つどっているうちに一人、頭から黒いきれを被って、顔色がろうのように青白い、やつれた女がある。眼は泣き腫らして、唇の皮が厚くひからびて、堅く死骸に抱き付いたまま身動きすらしなかった。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
真ん中頃に二カ所どす黒くコチコチに乾干ひからびた、どうも血らしいものの付いているところがございました。
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
武王ぶわう(二六)木主ぼくしゆせ、がうして文王ぶんわうし、ひがしのかた(二七)ちうつ。伯夷はくい叔齊しゆくせい(二八)うまひかへていさめていは
廃業ひかせるお客海上の顔にもかゝるんですから、立派にして遣らねばならぬ、立派にしてやるが青二才の職人風情に真似の出来るもんか、己と競争ようと思ったッて到底とても及ぶまいと
横倒しになっている主税の足許に、その縁を白く微光ひからせながら、淀屋の独楽が転がっている。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これらの言葉我をひかへしめたれば、我はこの問を棄て、自らひかへつゝたゞへりくだりてその誰なりしやを問へり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それから一年あまりの後、職人を呼んで家根やねのつくろいをさせると、瓦のあいだから何か堅い物が地に落ちた。よく見ると、それはさきに紛失したかの箆であった。つづいてひからびた骨があらわれた。
神武天皇が熊野から八咫やたの烏の先導で吉野にかかったとき、尾のある人間が井戸の中から出てきて、その井戸が光った。お前は誰だと問うたら、国ツ神で名を氷鹿ひかという者だと答えた。
争ってあんを殺さんことを請う。安が数々しばしば燕兵を破り、驍将ぎょうしょうる数人なりしをもってなり。燕王其の材勇を惜みて許さず。安に問いて曰く、淝河ひかたたかい、公の馬つまずかずんば、何以いかに我を遇せしぞと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
というより、この異国の女の鼓動が胸を透して優しい花のように文字どおりに、すこしずつ高まったり低くなったりして、ちかちかした胸衣の飾り玉の青や黄いろをひからせた。
ヒッポドロム (新字新仮名) / 室生犀星(著)
佛燈如螢煕 仏灯 蛍の如くひかる。
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
何故、冬の月は朝になってもあんなにひかるのだらう。私は寝衣一枚で窓側に立って慄へて居た。
焚いてしまふ (新字旧仮名) / 原民喜(著)
毎年秋のを鹿ががさつかせるという時分、大したお供揃ともぞろいで猟犬や馬をひかせておくだりになったんです。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
昨日の一壮士、奇運に遭会し代議士の栄誉を荷ひて議場に登るや、酒肉足りて脾下ひか見苦しく肥ゆるもの多し、われは此輩に会ふ毎に嘔吐を催ふすの感あり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
特に藝術と宗教とが深く編みなされている世界に、強く心をひかれている私は、それらの要素の完全な結合である上人の作に、自ら近づくべき歩を進めていたのです。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
すると、うむ、それは、よき人々に贔屓ひかれておるな——広海屋と申せば、名うての大町人、やがて江戸一にもなるべき人だ——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
実家うちへも帰られないので此様な汚ない空家を借りて世帯しょたいを持たして、爺むさいたッてお前さん茅葺かやぶき屋根から虫が落ちるだろうじゃアないか、本当に私を退ひかしたって亭主振って、小憎らしいのだよ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『生木にゃ青い血、オージルビーにゃ金の血』という名高い鄙歌ひかはあれは修辞的の意味ばかりでなく文字通りの意味があるのじゃ。
得之これをえたるは、らず、はたもとぶを細君さいくんえんざるによるか、非乎ひか
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もとより歌と歌ならざる者との境界は画然と分れたる者に非ざれば、論理的の厳格なる意味を以て「これは歌なり」「これは歌にあらず」と断定するは、非歌ひか中間の歌にありては最もかたし。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
朗吟して、飛過ひか洞庭湖どうていこ
杜子春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)