干涸ひか)” の例文
私は頭がガンガンして、口の中が干涸ひからびて、奇態に体が顫えるのが自分でも分りました。はッと思って、「気が違ったな」と感じました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかし病弱であればこそ、そうやって筆もられるので、そうでなかったら勅任教授か何かで、大学あたりの教壇で干涸ひからびてしまうに相違ない。
日本探偵小説界寸評 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
到底頭の干涸ひからびた私なぞの及ぶところでない。十六や七の少年とは無論思えぬ。しかしその想像し得た事柄は、如何いかにも好奇心の強い、少年時代に相応した事柄ではある。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
こおったような姿勢で、琥珀色こはくいろ干涸ひからびた身体に向いあって立っている。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
彼がひそ/\とさゝやくが如く物を云いながら、女中共に講義をしているその声は、熱病患者のそれのように干涸ひからびて、うわずっているばかりでなく、へんに云い方が神経質で