“干乾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひから71.9%
ひぼ18.8%
ひぼし6.3%
ひか3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は赤ん坊のくなくなになった頸筋や、黄ばんで干乾ひからびた皮膚を見ると、もはや自分の力ではこの子を育ててゆけないと思った。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「だんだん技量うでが上がることのウ……頼もしいお神さんを持っているので、浪人になっても干乾ひぼしにもならず、俺アくらせるというものさ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何をするか知らぬと思う間もなく、三日半も干乾ひぼしにして庭樹にわきの枝に縛り付けてあった囚人しゅうじん目がけてズドンと一発放つや否や、キャッという叫び声。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山らしいものの一つも見えない空は冬でもかんかんとが照りわたり、干乾ひからびたわだちの跡と茫々とした枯草が虚無のようにひろがっていた。殆ど彼も妻と同じ位、その夢に脅えながらもだえることができた。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)