“干魚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほしうお28.6%
ひもの23.8%
ほしうを14.3%
ひうお9.5%
ひうを9.5%
ひざかな9.5%
ほしか4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人目を避けて、うずくまって、しらみひねるか、かさくか、弁当を使うとも、掃溜はきだめを探した干魚ほしうおの骨をしゃぶるに過ぎまい。乞食のように薄汚い。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はげしく手真似をして叫びかはす群が忽ちドルフの周囲まはりへ寄つて来た。中に干魚ひもののやうな皺の寄つた爺いさんがゐて、ドルフの肩に手を置いた。
現に、自分が今、かみを拔いた女などは、へびを四寸ばかりづゝにつて干したのを、干魚ほしうをだと云つて、太刀帶たてはきの陣へ賣りに行つた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
鹿の湯というのは海の口村の出はずれにある一軒家、樵夫きこりの為に村醪じざけも暖めれば、百姓の為に干魚ひうおあぶるという、山間やまあいの温泉宿です。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
干魚ひうをを売る女 何の健気な事がありますものか? 捨てられた妻子の身になれば、弥陀仏でも女でも、男を取つたものには怨みがありますわね。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
内地ならば庚申塚こうしんづかか石地蔵でもあるはずの所に、真黒になった一丈もありそうな標示杭ひょうじぐいが斜めになって立っていた。そこまで来ると干魚ひざかなをやくにおいがかすかに彼れの鼻をうったと思った。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
蛾次郎がじろう干魚ほしかをムシャムシャみながら、そばへ寄ってみると、裾野すそので見かけたことのある呂宋兵衛るそんべえなので、二どびっくりという顔で
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)