“ひもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乾物39.2%
干物36.7%
檜物10.1%
干魚6.3%
乾魚6.3%
枯魚1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうした八、腹が減つたらう。有合せの乾物ひもので底を入れてから話して見るが宜い。大した結構な手柄もなかつたやうだが」
彼女は自分が酒とさかなを買いにいった。一と二〇で酒を一升買い、〇・三〇で干物ひものとうぐいす豆と佃煮つくだにを買い、残りはかあさんに渡した。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
投石の怪事にして、原因を発見せし例は前に掲げしほかに多々あるが、そのうちの一例は先年、群馬県高崎市檜物ひもの町に起こった出来事である。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
わたしは(ああこれだな、時折舞台が御殿のような場で楽屋の方から干魚ひものにおいがして来て、現実暴露というほどでもないが興味をさまさせるのは——)
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
皮膚には一滴のもなく下瞼したまぶたがブクリとふくれてさがり、大きな眼は乾魚ひもののように光を失っていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
幼心に訝りながら、お駒が麩糊ふのりを入れてゐた神饌桶を掃除して、洗米あらひよねを拵へ、鼠糞の溜つてゐた土器かはらけと三寳とを取り出し、總菜の餘りの枯魚ひもの一枚、それから父の飮み餘しの酒を瓶子に移し
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)