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乾魚
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ひもの
ふりがな文庫
“
乾魚
(
ひもの
)” の例文
各
(
おのおの
)
静に窓前の竹の
清韻
(
せいいん
)
を聴きて
相対
(
あひたい
)
せる座敷の
一間
(
ひとま
)
奥に、
主
(
あるじ
)
は
乾魚
(
ひもの
)
の如き
親仁
(
おやぢ
)
の黄なる
髯
(
ひげ
)
を長く
生
(
はや
)
したるが、
兀然
(
こつぜん
)
として
独
(
ひと
)
り盤を
磨
(
みが
)
きゐる傍に通りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
皮膚には一滴の
血
(
ち
)
の
気
(
け
)
もなく
下瞼
(
したまぶた
)
がブクリと
膨
(
ふく
)
れて
垂
(
た
)
れ
下
(
さが
)
り、大きな眼は
乾魚
(
ひもの
)
のように光を失っていた。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それから、素晴らしい魚や、蝶鮫の
乾魚
(
ひもの
)
をざらに売っていたっけ。おれは蝶鮫の乾物を一つ買って来たがね、まだ金のあるうちに気がついて、いいことをしたよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
角のある
龍
(
りよう
)
や、
乾魚
(
ひもの
)
のやうに痩せた学校教師や、白鳥のお嫁になつたお姫様や、そんな面白い話を幾つとなく聴かせたが、娘は黙つて聴いてゐて、時々「はい」とか
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
西洋人の口は玉葱臭く日本人の口は沢庵臭し。善良なる家庭は
襁褓
(
おしめ
)
くさく不良なる家庭は
乾魚
(
ひもの
)
臭し。
雲脂
(
ふけ
)
くさきは書生部屋にして安煙草の
脂
(
やに
)
臭きは区役所と警察署なり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
乾
常用漢字
中学
部首:⼄
11画
魚
常用漢字
小2
部首:⿂
11画
“乾魚”で始まる語句
乾魚俵
乾魚臭
乾魚船