“下瞼”の読み方と例文
読み方割合
したまぶた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朱丸は頑是がんぜない六歳だけに、母の膝によって眠っていたが、濃い睫毛まつげ下瞼したまぶたを蔽うて、どこやらに寂しそうなところがあった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それから主人は鼻の膏を塗抹とまつした指頭しとうを転じてぐいと右眼うがん下瞼したまぶたを裏返して、俗に云うべっかんこうを見事にやって退けた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
風外は泣き出しさうな使者の顔を面白さうにじつと見入つてゐたが、相手の言葉がちよつと途切れると、いきなり下瞼したまぶたを押へてあかんべいをしてみせた。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)