“脂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぶら71.7%
やに27.1%
し0.6%
あふら0.3%
べに0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐々木小次郎をよく知っている者か、面識でもある間がらでもあれば、たちまち嘘がばれて、脂(あぶら)をしぼられるところであったがと——
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ええ、おちついているな。脂(やに)を嘗(な)めさせられた蛇のように往生ぎわが悪いと、もう御慈悲をかけちゃあいられねえ。さあ申し立てろ。
半七捕物帳:05 お化け師匠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
牛の生脂(なまあぶら)即ちケンネ脂(し)という処を買って細かく截(き)ってそのまま鍋へ入れて少しの水を加えてよく煮ます。それを水嚢(すいのう)で漉(こ)しておけばそれが純粋のヘットです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
市井の底(そこ)に住む人等(ひとたち)の脂(あふら)と汗とが浸潤(しんじゆん)してか、地は、陰濕(じめ/″\)してどす黒い………其のどす黒い地べたに、ぽツつり/\、白く洒(しや)れた貝殼(かひがら)が恰で研出(とぎだ)されたやうになツてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
小翠はただ首を垂れて微笑しながら手で牀(こしかけ)の隅をむしりだした。夫人がいってしまうと小翠はもういたずらをはじめて、元豊の顔を脂(べに)と粉(おしろい)でくまどって鬼のようにした。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)