“脂気”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぶらけ87.5%
におい12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしこの食堂に這入はいって来るコンマ以下のお役人には、一人も脂気あぶらけのある顔はない。たまに太った人があるかと思えば、病身らしい青ぶくれである。
食堂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
けれど、一夏、岩木川の氾濫はんらんがあると、全民は打ちのめされて、また二年か三年は、火あぶりになっても税も脂気あぶらけも出ないという領民がたくさん出来た。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
引切ひっきりの無い人通りも、およそ途中で立停たちどまって、芸者の形を見物するのは、鰻屋うなぎやの前に脂気においぐ、奥州のお婆さんと同じ恥辱だ、という心得から、誰も知らぬ顔で行違う。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)