“脂切”の読み方と例文
読み方割合
あぶらぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その父の背中は真白くてヌルヌルと脂切あぶらぎっていた。その左の肩に一ツと、右の背筋の横へ二ツ並んで、小さな無果花いちじく色のいぼが在った。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
年の頃は五十前後、充分に脂切あぶらぎつて、ギラギラする袷や、銀鎖ぎんぐさりの逞ましい煙草入や、身の廻りの物一つ/\にも、馬鹿々々しい見得があふれて居ります。
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
ここが一生の運命のわかれ目と思い込んでいるらしい真剣味をもって、今一層グッと身を乗出しながら、男盛りの脂切あぶらぎった顔を光らした。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)