“乾魚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひもの45.5%
ひうを18.2%
ひうお9.1%
ほしうお9.1%
ほしうを9.1%
ほしざかな9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おのおの静に窓前の竹の清韻せいいんを聴きて相対あひたいせる座敷の一間ひとま奥に、あるじ乾魚ひものの如き親仁おやぢの黄なるひげを長くはやしたるが、兀然こつぜんとしてひとり盤をみがきゐる傍に通りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのかへりみちに犬養氏は国民党本部へ立ち寄つた。そして乾魚ひうをのやうな痩せた体躯からだをぐたりと椅子の上に下すと、居合はせた党員の誰彼を見て言つた。
烟出けむりだしの広さ八畳敷、これに和布わかめ、ヒジキ、乾魚ひうおなどを貯え、凶歳に村民を救うた。
男は二人を森の中に待たせて置いて、再びどこかへ食い物を探しに行ったが、今度は握り飯に乾魚ほしうおのあぶったのを取り添えて持って来た。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
銀明水に達したるは午後七時になんなんとす、浅間社前の大石室に泊す、客は余を併せて四組七人、乾魚ほしうを一枚、の味噌汁一杯、天保銭大の沢庵たくあん二切、晩餐ばんさんべてはかくの如きのみ
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
どうするつもりだろう、おせんは、ますます強くなる不安のなかで、ともかくも夕餉の量をやし、乾魚ほしざかなを買いに走ったりした。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)