“総”のいろいろな読み方と例文
旧字:總
読み方割合
すべ57.5%
ふさ21.7%
す9.8%
そう4.6%
あら3.7%
すべて1.5%
あらゆ0.9%
スベ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
総(すべ)てこの町の、かうした家では、何か薄暗い土倉(つちぐら)のやうな土間があつて、それが相当だゝつ広い領分を占めてゐるので、夏は涼しい。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
いづれも模造の品物を並べた後(うしろ)一面、金砂子の鳥の子紙を張つた仕切壁に、紅葉山人の俳句短冊二枚を入れた総(ふさ)つきの雲板をつり下(さ)げ
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
調子の区別も曲の詞も音の高低も節廻(ふしまわ)しも総(す)べて彼は耳の記憶(きおく)を頼りにしなければならなかったそれ以外に頼るものは何もなかった。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
すると鳥(とり)は降(お)りて来(き)たので、二十人(にん)の粉(こな)ひき男(おとこ)は、総(そう)ががかりで、「ヨイショ、ヨイショ!」と棒(ぼう)でもって石臼(いしうす)を高(たか)く挙(あ)げました。
総(あら)ゆるものを焼き、総ゆるものを灰にするような、令嬢に対する私の愛情は、博士に対する恐怖感をさえ乗越えて行った。
しかるに言(い)おうと云(い)う望(のぞみ)は、終(つい)に消(き)えず忽(たちまち)にして総(すべて)の考(かんがえ)を圧去(あっしさ)って、こんどは思(おも)う存分(ぞんぶん)、熱切(ねっせつ)に、夢中(むちゅう)の有様(ありさま)で、言(ことば)が迸(ほとばし)り出(で)る。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
我らのご先祖宗介(むねすけ)様が正親町(おおぎまち)天皇天正(てんしょう)年間に生きながら魔界の天狗となりこの八ヶ嶽へ上られてからは総(あらゆ)る下界の人間に対して災難をお下しなされたのだ。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
忙ハ総(スベ)テ閑ニ及バズ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)