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そう
ふりがな文庫
“
総
(
そう
)” の例文
旧字:
總
すると
鳥
(
とり
)
は
降
(
お
)
りて
来
(
き
)
たので、二十
人
(
にん
)
の
粉
(
こな
)
ひき
男
(
おとこ
)
は、
総
(
そう
)
ががかりで、「ヨイショ、ヨイショ!」と
棒
(
ぼう
)
でもって
石臼
(
いしうす
)
を
高
(
たか
)
く
挙
(
あ
)
げました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
目をとじて、彼は心の隅々までを、
総
(
そう
)
ざらいしていた。すると、
忽然
(
こつぜん
)
、
彼自身
(
かれじしん
)
にすら驚かれるような本心が、大きく彼の意識にのぼった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
総
(
そう
)
じて血のめぐりの好い
生体
(
せいたい
)
は健全です。病は
偏
(
へん
)
です。不仁が病です。脳貧血のわるいは、脳充血のわるいに劣りません。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ふつうの勢参りでは、まず神前にうやうやしく拝をしてのちに、帰りに一同がウヮーと高い声をあげる。これを
鬨
(
とき
)
の声ともまた
総
(
そう
)
の声ともいった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そして
鹿
(
しか
)
が
腰
(
こし
)
を
押
(
お
)
して
熊
(
くま
)
が
胸
(
むね
)
に
組
(
く
)
みついて、みんな
総
(
そう
)
がかりでうんうんいって、
金太郎
(
きんたろう
)
を
倒
(
たお
)
そうとしましたが、どうしても
倒
(
たお
)
すことができませんでした。
金太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
この部落に住んでいる人間が
総
(
そう
)
がかりになった上に、その何十倍か何百倍のクーリーを使っても、豆の
出盛
(
でさか
)
りには持て余すほど荷が後から後からと出てくる。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あしたは
祭礼
(
さいれい
)
の日というので朝から家じゅう
総
(
そう
)
がかりで内外の
取
(
と
)
りかたづけやらふるまいの用意にたてきってる
際
(
さい
)
に、
告
(
つ
)
げ
人
(
びと
)
を受けたのである。お政はほとんど
胸中
(
きょうちゅう
)
が
転倒
(
てんとう
)
している。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
相
(
そう
)
、
豆
(
ず
)
、
駿
(
すん
)
、
遠
(
えん
)
、
尾
(
び
)
、
濃
(
のう
)
の間に流行し、昨年中は西は京阪より山陽、南海、西国まで
蔓延
(
まんえん
)
し、東は
房
(
ぼう
)
、
総
(
そう
)
、
常
(
じょう
)
、
野
(
や
)
、
武
(
ぶ
)
、
信
(
しん
)
の諸州にも
伝播
(
でんぱ
)
し、当年に至りては
奥
(
おう
)
州に漸入するを見る。
妖怪玄談
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
総
(
そう
)
じて
他人
(
たにん
)
の
艱難
(
かんなん
)
に
対
(
たい
)
しては、
事務上
(
じむじょう
)
、
職務上
(
しょくむじょう
)
の
関係
(
かんけい
)
をもっている
人々
(
ひとびと
)
、
例
(
たと
)
えば
裁判官
(
さいばんかん
)
、
警官
(
けいかん
)
、
医師
(
いし
)
、とかと
云
(
い
)
うものは、
年月
(
ねんげつ
)
の
経過
(
けいか
)
すると
共
(
とも
)
に、
習慣
(
しゅうかん
)
に
依
(
よ
)
って
遂
(
つい
)
にはその
相手
(
あいて
)
の
被告
(
ひこく
)
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
R
(
アール
)
町の
応援団
(
おうえんだん
)
は
総
(
そう
)
だちになった。ぼうしを投げあげる気の早い者もある。
星野くんの二塁打
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
汽船では乗客を皆な別の船に移して、荷を軽くして船員
総
(
そう
)
がゝりで、長い
竿棹
(
さを
)
を五本も六本も浅い州に
突張
(
つつぱ
)
つて居た。しかも汽船は容易に動かなかつた。煙突からは白い薄い
煙
(
けぶり
)
が
徒
(
いたづ
)
らに立つて居た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
地獄も天堂も
総
(
そう
)
に踏み破り去らんといふやうな調子のものである。
非凡人と凡人の遺書
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
またたきもせで見詰めたりしが、
俄
(
にわか
)
に
総
(
そう
)
の身を
震
(
ふる
)
はして
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
賤
(
しず
)
ヶ
岳
(
たけ
)
の
総
(
そう
)
くずれから、
敵営
(
てきえい
)
、
秀吉方
(
ひでよしがた
)
の目をかすめて、やっと世をはなれた
竹生島
(
ちくぶしま
)
に、
旧知
(
きゅうち
)
の
菊村宮内
(
きくむらくない
)
をたよってきた——
柴田
(
しばた
)
の
落武者
(
おちむしゃ
)
、
上部八風斎
(
かんべはっぷうさい
)
の鼻かけ
卜斎
(
ぼくさい
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とうとう
外
(
ほか
)
の
門
(
もん
)
が一つ一つ
片
(
かた
)
はしからうち
破
(
やぶ
)
られ、やがてどっと
総
(
そう
)
くずれになりました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
子犬の生れた騒ぎに、猫のミイやが居ないことを
午過
(
ひるす
)
ぎまで
気付
(
きづ
)
かなかった。「おや、ミイは?」と
細君
(
さいくん
)
が不安な顔をして
見廻
(
みま
)
わした時は、午後の一時近かった。
総
(
そう
)
がかりで家中探がす。居ない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
奇麗に返えします。成る事なら利子をつけて返えします。返えさずに居れなくなりました。返えすが楽にさえ悦喜にさえなって来ました。目下整理中です。
総
(
そう
)
じて義務が道楽にならねば味がない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
縦
(
たて
)
六尺あまり
横
(
よこ
)
三
間
(
げん
)
余
(
よ
)
のいちめんにわたって、日本全土、
群雄割拠
(
ぐんゆうかっきょ
)
のありさまを、青、赤、白、黄などで、一
目
(
もく
)
瞭然
(
りょうぜん
)
にしめした大地図の壁絵。——さきごろ、
絵所
(
えどころ
)
の
工匠
(
こうしょう
)
を
総
(
そう
)
がかりで
写
(
うつ
)
させたものだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
総
常用漢字
小5
部首:⽷
14画
“総”を含む語句
上総
総身
下総
総領
総角
上総介
総督
総毛立
総々
総括
総追捕使
総計
総帥
総髪
総出
総立
下総国
総代
総崩
安房上総
...