“そう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソウ
語句割合
23.7%
17.1%
左様5.4%
5.0%
4.6%
4.3%
4.3%
3.4%
2.5%
2.5%
(他:185)27.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度譚のこう言いかけた時、僕等の乗っていたモオタア・ボオトはやはり一そうのモオタア・ボオトと五六間隔ててすれ違った。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
悪い時は悪いもので、こんどは向うから妙な恰好をした船がやってくる。一そう、二艘、三艘……それが、みな海賊船なんです。
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
和のづるや、帝、袁柳荘えんりゅうそうの子の袁忠徹えんちゅうてつをしてそうせしむ、忠徹いわく可なりと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それはひそやかに、後ろに廻っていたものの腰車を払って、遺憾いかんなきまでに斬って抜け、左へ返すやいな、八そうの落し。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兼「左様そういちゃア尚分らなくならア、此のからす/\かんざえもんとア此間こねえだ御新造が来た夕方の事でしょう」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
傳「左様そうかい、それじゃア先へ往っているよ、お前が三日位かゝっても待っているよ、それじゃア磯之丞さん先へこう」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その後そうの茶人らが粉茶を用いるに至って、彼らは濃藍色のうらんしょくおよび黒褐色こくかっしょくの重い茶碗を好んだ。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
いやむしろ、元の前時代、そうとうの昔より、国運はみなぎり、近代的にめて以て、今や明の盛代とさえ見えた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とりわけわたくし生涯しょうがいなどは、どなたのよりも一そうつまらない一しょうだったのでございますから……。
が、いくら身悶みもだえをしても、體中からだぢうにかかつた繩目なわめは、一そうひしひしとるだけです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わるい勢力はよい勢力よりもはびこりやすい。堀口生は先生から一本まいったが、黒板の広告は充分に効果をそうした。以来正三君に、
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
兵士へいし軍楽ぐんがくそうしますのはいさましいものでございますが、の時は陰々いん/\としてりまして
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
階下の一室は昔しオルター・ロリーが幽囚ゆうしゅうの際万国史ばんこくしそうを記した所だと云い伝えられている。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ドールン (吐き出すように)ええ! じゃ、カノコそうの水薬(訳注 カノコ草の根から製した鎮静剤)でもやるですな。
昼頃に漸くんだが、小川谷の奥に朝日岳の雪がちらと見えたのみで、そうヶ岳や駒ヶ岳の連脈には雲が低く垂れていた。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
領主 この書面しょめんにてそう申條まうしでうあかりったり、情事じゃうじ顛末てんまつ
そう截鉄せってつ落剣らっけん! 異様いようなる血の音を立って、武田伊那丸たけだいなまるの首はバスッとまえにおちた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて、新聞の小ニュース欄に、M家に伝わる武蔵の花鳥図屏風かちょうずびょうぶそうが、博物館の陳列に新たに加わることが報じられている。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もと越後新潟の人で、抽斎と伊沢蘭軒との世話で、そう対馬守つしまのかみ義質よしかたの臣塩田氏の女壻じょせいとなった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
当代とうだい人気役者にんきやくしゃそうろうていると、太鼓持たいこもちだれかに一いわれたのが
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
多津吉は一度、近々とて、ここへ退いたまま、あやしみながら、みまもりながら、左右そうなく手をつけかねているのである。
さて、地獄で天女とも思いながら、年は取っても見ず知らぬ御婦人には左右そうのうはものを申しにくい。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
汽船では乗客を皆な別の船に移して、荷を軽くして船員そうがゝりで、長い竿棹さをを五本も六本も浅い州に突張つつぱつて居た。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
とうとうほかもんが一つ一つかたはしからうちやぶられ、やがてどっとそうくずれになりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
難渋な小前こまえの者はそのことを言いたて、宿役人へ願いの筋があるととなえて、村じゅうでのそう寄り合いを開始する。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこにある三つの寺へそう人数を割り入れられ、加州方からは朝夕の食事にさかなを添え、昼は香の物、酒も毎日一本ずつは送って来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
机竜之助はあちらを向いて短笛たんてきもてあそぶと、それと六枚折りの屏風一重を隔てたこちらで、お銀様がそうの琴を調べます。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あなたは此れで精一杯だと仰っしゃるが、失礼ながらあのそうのことゝ馬二匹では、まだ引出物が不足ですな」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
次郎さんをはじめ此家の子女むすこむすめは、皆小柄こがらの色白で、可愛げな、そうしてひんい顔をして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
遊廓の話、茶屋の話、同窓生と一処いっしょになってドシ/″\話をして問答して、そうして私は夫れを又ひやかして、
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「私はしん閔王びんおうむすめでございましたが、このそうの国に迎えられてきて、二十三年間、独りでおる者でございます」
黄金の枕 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
衛に出入すること四度、陳に留まること三年、そう・宋・蔡・葉・楚と、子路は孔子に従って歩いた。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
宿やどものそうがゝりでめたがかない、ともれてけとすゝめても謝絶しやぜつ
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そうじて主人しゆじんうちにあるときと、そとでしのちと、家内かない有樣ありさま
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たしか博文館はくぶんくわんはつ行のせう理科りくわそう書の一さつだつたかとおもふ。
花一そう、にしき一団、目もあやに、立ちたる人の腰帯シェルペ、坐りたる人の帽のひもなどを
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
つ人といえばとかく外部の敵に勝つように思わるるが、その外に障害物を一そうする人、もしくは破壊はかいする人と思われる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
多少の思いは、皆、真っ黒な墨にこめて、白紙の上へ、一そうの水墨画として吐いてしまった感じである。——その画もわれながら、今朝は気もちよく描けたと思う。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど首将みずから剣槍けんそうの中を駈けあるき、歩兵や騎兵を叱咤しったし廻る戦闘ぶりに変りはなく、武敏の手にある一そうもすでに血ぬられて、
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、咲耶子を道のきるところまでいこんで、ここぞと、気合きあいをあわせて、二そうしょに彼女の胸板むないたいていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに明治四十一年の春の暮、成人おとな握掌大にぎりこぶしほどの素晴しい雹が降った時もそうだった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けど秋山少尉は考えておきますと、そういうだけで、何遍話をしてもうんといわない。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「そうだ。俺にはまだ左腕もあれば両脚もあるし、硬い歯の生えている口もあれば、太いくびもあるというんだ。その意気はそうとするが、こればかりはねえ」
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そう音色ねいろ悲愁ひしゅうな叫び、または嘈々そうそうとしてさわやかに転変する笙の余韻よいんが、志賀しがのさざ波へたえによれていった——
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、緑ちゃんも小林君も、今ごろは、彼らのそうくつにつれこまれて、どんなひどいめにあっているかわからないのです。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
むかしそうの江水がある日にわかにみなぎったが、ただ一日で又もとの通りになった。
またはそう高き詩の一節読みわりて限りなき大空をあおぐがごとき心地す
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
昔しの人はそうこそ無上むじょうなれと説いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕は薄気味が悪くなって、もう何も話す元気がなくなったので、そうそうに立ち去ってしまった。
わたしは抽斗をあけたままの机から三包みの手紙をそうそうに引っつかんで、その部屋をかけ抜けて、階子段を一度に四段ぐらいも飛び下りて、表へ逃げ出しました。
せい王の顧命こめいそう子の善言に至つては、賢人のぶんおのづかまさに此の如くなるべきのみ。
馬の友人にそうという者があったが、これも酒豪で相手なしときていた。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夜などに此の塔を見ると、大きな化物の立った様に見え、そうして其の時計が丁度「一つ目」の様に輝いて居る。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
引切ひっきりなしにからの煙草をぐ真似し時々は「うしても見出せねば、そうだ何うしても見出して呉れる」と打呟く声を洩す
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「それはまあしかたがない。こんな小さな家には、庵ぐらいがちょうどいいよ。かくとかそうとかでは大げさすぎる。はっはっ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
その時分はまだ一個のそう、家も二十軒あったのが、娘が来て一日二日、ついほだされて逗留とうりゅうした五日目から大雨が降出ふりだした。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それがためには、潜水服に似たものを着、そして潜水かぶとに似たものを頭に被り、空気そうを背負わなければならなかった。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まず酸素不足などを補うために、特別製の圧搾あっさく空気をつめたそうから空気を送って呼吸しなければならぬ。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何処の領主でも兵卒を多く得たいものは然様そういうことを敢てするを忌まなかったから、共婚主義などは随分古臭いことである。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然様そうなれば然無さなきだに他国者の天降あまくだり武士を憎んで居る地侍の怒り出すのも亦有り内の情状であるから
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)