黄金の枕おうごんのまくら
辛道度は漂泊の旅を続けていた。着物は薄く懐中は無一物で、食物をくれる同情者のない時には水を飲んで餓えを凌ぎ、宿を貸してくれる処がなければ、木の葉を敷いて野宿をした。そうした窮乏の中にあっても、彼は決して気を腐らさなかった。彼の前途には華やか …