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左様
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そう
ふりがな文庫
“
左様
(
そう
)” の例文
旧字:
左樣
左様
(
そう
)
ですね……あれは、放火事件があってから
三月
(
みつき
)
ほどしてからのことでしたかね……もうそろそろ夏がやって来ようって頃でした。
あやつり裁判
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
外したのは確に失敗でございますね……だって
左様
(
そう
)
じゃありませんか、恋仇同士をたった二人、室に残してお置きになったら、議論を
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
幸「はい、
左様
(
そう
)
でございますか……只今
種々
(
いろ/\
)
取込が有りまして、是から少々山の派出所まで参らんければならんでげすが何御用でげす」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それならば大友はお正さんに恋い焦がれていたかというと、
全然
(
まったく
)
、
左様
(
そう
)
でない。ただ大友がその時、一寸
左様
(
そう
)
思っただけである。
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
こちとらは帳面なンかつけやしねえ、年の暮になりゃ足りた時は足りた、
剰
(
あま
)
らねえ時は剰らねえンだ、って
左様
(
そう
)
云ってやりましたよ、と。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
「なぜ兄さんは
左様
(
そう
)
なんだろう。僕だったらとっくに離縁にしてるんだがな。あんな人に
憐
(
あわれ
)
みをかける所があるんだろうか」
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ただ、何の事は無い、「素人で
左様
(
そう
)
釣っては、商売人の顔を踏み付けた仕打ちだ、大抵好い加減に釣ってれば好いに」という、
強談
(
ごうだん
)
なのです。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
「その不幸な
女
(
ひと
)
が兇行に遭っている最中に、誰か戸口へ
訪
(
おと
)
なっただろうという説もありますが、どうも
左様
(
そう
)
らしいですわね」
ペルゴレーズ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
先刻までの俺だったら、一緒にまた高飛びの、
股旅
(
またたび
)
かけた
草鞋
(
わらじ
)
を
穿
(
は
)
けと、いうところだが
左様
(
そう
)
はいわねえ、お袋さん、何とか法がござんすか。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
まあ、君、
左様
(
そう
)
じゃないか。もし君が
壮大
(
おおき
)
な
邸宅
(
やしき
)
でも構えるという時代に、僕が困って行くようなことがあったら、其時は君、宜敷頼みますぜ。
朝飯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また全く
左様
(
そう
)
でしやう、
袖
(
そで
)
に赤十字の着いたものを、戦闘員と
同一
(
おんなじ
)
取扱をしやうとは、自分はじめ、恐らく
貴下方
(
あなたがた
)
にしても
思懸
(
おもいがけ
)
はしないでせう。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
牧師さんの説教でも聞いたら音なしい
善
(
い
)
い子になれるだろうと思って、お母さんに
左様
(
そう
)
話したら、お母さんは大層喜んだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
若
(
も
)
し
左様
(
そう
)
なれば交際は
罷
(
や
)
めなければならぬ。交際を罷めても
此方
(
こっち
)
の身に害を加えぬ限りは相手の人を憎むには及ばぬ、
唯
(
ただ
)
近づかぬようにする
計
(
ばか
)
りだ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「どうぞ
左様
(
そう
)
して下さい。小父さんなら
必
(
き
)
っと何とかして下さると思います。母さんは本統にお可哀そうなのです」
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「エー
左様
(
そう
)
、そのつもりでしたのヨ。仏ヶ崎の方まで行きたいんですけど、とてもあそこまで漕げませんもの」
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
左様
(
そう
)
さね、お説の通り、三喜は寛正の六年の四月八日に生れたんだ、お
釈迦様
(
しゃかさま
)
の日だからよく覚えていますよ。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「どなたも
左様
(
そう
)
おっしゃいます。——やはりこの世では縁がないのでございましょう。——そう思って
諦
(
あきら
)
めようとは思いますが、浅ましいことには諦めきれません」
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
御夫婦とも
左様
(
そう
)
申しちゃ何ですけれど一寸変って
被居
(
いら
)
っしゃいますから無理もありませんでしょうが。
お久美さんと其の周囲
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
左様
(
そう
)
です。父はたしかに生命をおびやかされております。名誉や財産ではございません。はい、それはたしかでございます。そう考える理由が充分でございますの」
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
小生の
左様
(
そう
)
考える訳は、屍体は煤や灰で、ひどく汚れて居るが、之を綺麗に
払拭
(
はら
)
って視ると、肌の色が、屍体と思われないほど、
鮮紅色
(
あかみ
)
がかって
紅光灼々
(
つやつや
)
として居ることだ。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
どうも
左様
(
そう
)
ではなくむしろインチキにかかった其の友人の間抜けさ
加減
(
かげん
)
を
嗤
(
わら
)
いたくなり、インチキを用いた悪人に、
一寸
(
ちょっと
)
した尊敬にも似た感情を生ずるのである、そりゃ無論
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
持っていらっしゃる方があるでしょう、
左様
(
そう
)
いう方に
進上
(
あげ
)
たらいいでしょう——なにも……
頸飾り
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
浅薄な、
手妻師
(
てづまし
)
のやうな男が其処等中に転がつてゐますが、
左様
(
そう
)
云ふ男が女に対する場合、能きる
丈
(
だ
)
けの猫を
被
(
かぶ
)
つてゐます。けれども其の猫の皮は何んでも無く観破れるのです。
新らしき婦人の男性観
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
左様
(
そう
)
いうことを世人の誤ら無いように為るには、実際に必要だと思って居りました。
探偵物語の処女作
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
吾事
(
わがこと
)
ではあるまいかと耳を傾けて見ると、
何
(
なに
)
左様
(
そう
)
でもないが、何か胸騒ぎがして人に聞えはしまいかと思うように動悸がうつ。
兎角
(
とかく
)
して牛堀について、一行はどやどや上って行った。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「ああ
左様
(
そう
)
ですか。ではその前、つまり御主人がそのようになられる前に、御主人と話をされたような御来客はなかったですな?」
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「ほんに
左様
(
そう
)
ですよ、人様のお話の取次をして何番々々と言って居るうちに日が立ちますからねエ」と言って「おほほほほ」と軽く笑う。
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
若い職人風の
美男子
(
いゝおとこ
)
も、花里の全盛なのは聞きつたえておりまするし、殊に初会のことでげすから、
左様
(
そう
)
打ちとけて話をすることもない。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
季参の持って来た紅茶の中に毒でも這入っていたと見えてそれを飲んだ晩に吐瀉したなどと
左様
(
そう
)
云ったような話であった。
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「おい、母ちゃんの方へ行って、
吃驚
(
びっくり
)
しないように
左様
(
そう
)
いっておやり。今パパがウールトオの
狂犬
(
きちがいいぬ
)
を
射止
(
しと
)
めるからな」
生さぬ児
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
世間には大酒をしても必ずしも酒が旨いとは思わず、飲んでも飲まなくても
宜
(
い
)
いと
云
(
い
)
う人があるが、私は
左様
(
そう
)
でない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それも
左様
(
そう
)
だと思った。本箱なんか大きくて郵便箱に入りっこないから安心だ。けれどもお父さんが帰って怒りはしまいかと思ったら心配になって来た。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
おとら それも
左様
(
そう
)
だ。あたしも倅が恋しくなった。久しい間無沙汰をしてる、今から行って参ってこよう。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
其奴
(
そいつ
)
ア判ら無えがナ、今度ア今迄来た様な道庁の
木
(
こ
)
ッ
葉
(
ぱ
)
役人たア違うから、何とか目鼻はつけて呉れるだろう、何時も何時も胡麻化されちゃア
返
(
けえ
)
るんだが、今度ア
左様
(
そう
)
は
往
(
い
)
くめエ
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
「エ、アア
左様
(
そう
)
だ。絶好の小説家だ。
寧
(
むし
)
ろ小説以上の興味を創作したといってもいい」
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
尾頭
(
おかしら
)
のあるものの
死骸
(
しがい
)
だと思うと、気味が悪くッて食べられねえッて、
左様
(
そう
)
いうんだ。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
細『
左様
(
そう
)
じやございませんよ。昨日、千住の爺やが持ツて参ツたのでございます。』
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
先づ、何よりも先きにあなたに申あげなければならない事は、私が公娼廃止に反対だと云ふ風にあなたが誤解してお出になるらしい事に就いて、私は
左様
(
そう
)
ではありませんと云ふ事です。
青山菊栄様へ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
「ウム
左様
(
そう
)
だ、旧弊な大名の伜ヨ、それを誰から聞いた」
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
左様
(
そう
)
です。そこへ連れて行って下さい」
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
兼「
左様
(
そう
)
です、
何
(
なん
)
か深いわけがあるんです、心当りがあるんなら何も年寄の親方が行くにゃア及びません、
私
(
わっち
)
が尋ねましょう」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こうした愛憐の情は真に骨肉を分けた子供に対してのみ起るもので、赤の他人だったらとても
左様
(
そう
)
は行かぬものだ。
生さぬ児
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
劇
(
はげ
)
しい
飢餓
(
うえ
)
は往々にして酒に酔ったような状態を其人に起こさせるものであるが、
尠
(
すくな
)
くも彼には
左様
(
そう
)
であった。
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
左様
(
そう
)
サ、お正さんが二十位の時だろう、四年前の事だ、だからお
正
(
しょう
)
さんは二十四の春
嫁
(
かたず
)
いたというものだ。」
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
頭だけじゃ救われない、
浸礼
(
しんれい
)
教会なんかじゃ水の中へ潜らせると言い出した。
其
(
それ
)
も
左様
(
そう
)
だと思う。折角洗礼を授けてやっても救われなくちゃ何にもならない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
水戸の御隠居様、水戸の老公と尊称して、天下一の人物のように話して居たから、私も
左様
(
そう
)
思
(
おもっ
)
て居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
行って
左様
(
そう
)
おいい、いい加減にしろッて。喧嘩をしてる奴はみんなここへ
雁首
(
がんくび
)
を揃えて来いって。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
左様
(
そう
)
です。
撲
(
ぶ
)
つな、
蹴
(
け
)
るな、
貴下
(
あなた
)
酷
(
ひど
)
いことをするぢやあありませんか。三日も
飯
(
めし
)
を喰はさないで眼も
眩
(
くら
)
むでゐるものを、
赤條々
(
はだか
)
にして木の枝へ
釣
(
つる
)
し上げてな、銃の
台尻
(
だいじり
)
で以て
撲
(
なぐ
)
るです。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは千人が万人のうちには
左様
(
さよう
)
な例がないとも限らないが併しその僅かな例を持つて直ぐにそれが動かすことの出来ない真理だとは考へられないとその人は云ふ。それも
左様
(
そう
)
らしく思はれる。
貞操に就いての雑感
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
駕「
左様
(
そう
)
でげすか、オヤ/\/\成程居ない、気の
故
(
せえ
)
で
重
(
おも
)
てえと思ったと見える、成程
何方
(
どなた
)
も入らっしゃいません、
左様
(
さよう
)
なら」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
左
常用漢字
小1
部首:⼯
5画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“左様”で始まる語句
左様々々
左様左様
左様然
左様右様
左様だとも
左様御承知被下度候