探偵物語の処女作たんていものがたりのしょじょさく
私は元来自分で読物を書くなどと云う考は無かった。唯だ私の叔父が裁判官であって、私は子供の時から、色々裁判に関することを見もし、聞きもして、能く「誤判例」などを読んで、悪人で有った者が死後には善人で有ったり、或は善人だと思って居た者が、大悪人 …