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層
>
そう
ふりがな文庫
“
層
(
そう
)” の例文
可笑
(
をかし
)
なお話をいたしましたが、
策伝
(
さくでん
)
の話より、一
層
(
そう
)
御意
(
ぎよい
)
に
適
(
かな
)
ひ、
其後
(
そののち
)
数度
(
たび/\
)
御前
(
ごぜん
)
に
召
(
め
)
されて
新左衛門
(
しんざゑもん
)
が、
種々
(
しゆ/″\
)
滑稽雑談
(
こつけいざつだん
)
を
演
(
えん
)
じたといふ。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この
話
(
はなし
)
を
但馬守
(
たじまのかみ
)
が、
與力
(
よりき
)
から
聞
(
き
)
いて、一
層
(
そう
)
玄竹
(
げんちく
)
が
好
(
す
)
きになつたのであつた。それからもう
一
(
ひと
)
つ、
玄竹
(
げんちく
)
が
但馬守
(
たじまのかみ
)
を
喜
(
よろこ
)
ばせた
逸話
(
いつわ
)
がある。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
貝層
(
かひそう
)
は
極
(
きは
)
めて
淺
(
あさ
)
いが、
其下
(
そのした
)
に
燒土
(
やけつち
)
の
層
(
そう
)
が
有
(
あ
)
つて、
其中
(
そのなか
)
に
少
(
すくな
)
からず
破片
(
はへん
)
がある。
幻翁
(
げんおう
)
の
言
(
げん
)
に
由
(
よ
)
ると、
香爐形
(
こうろがた
)
の
出
(
で
)
た
層
(
さう
)
と
同一
(
どういつ
)
だといふ。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
鉱坑
(
こうこう
)
は水でいっぱいになっている」と言った「先生」のことばで、パージュは三
層
(
そう
)
目で
働
(
はたら
)
いていた一人むすこのことを思い出した
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それからの
私達
(
わたくしたち
)
の
間
(
あいだ
)
には
前
(
まえ
)
にもまして、一
層
(
そう
)
大
(
おお
)
きな
溝
(
みぞ
)
ができて
了
(
しま
)
い、
夫婦
(
ふうふ
)
とはただ
名
(
な
)
ばかり、
心
(
こころ
)
と
心
(
こころ
)
とは千
里
(
り
)
もかけ
離
(
はな
)
れて
居
(
い
)
るのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
仰付らるゝにより
迅速
(
すみやか
)
に
正路
(
しやうろ
)
の人になるべき
筈
(
はず
)
なれども又人間に出る時は
以前
(
いぜん
)
に一
層
(
そう
)
惡事の効を
積
(
つみ
)
遂
(
つひ
)
には其身を
亡
(
うし
)
なひ惡名を萬世に流すを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
病人
(
びやうにん
)
はK
夫人
(
ふじん
)
の
顏
(
かほ
)
の
下
(
した
)
で、
小兒
(
こども
)
のやうに
顎
(
あご
)
で
頷
(
うなづ
)
いて
見
(
み
)
せた。
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
一束
(
ひとたば
)
にした
髮
(
かみ
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
を一
層
(
そう
)
少女
(
せうぢよ
)
らしく
痛々
(
いた/\
)
しく
見
(
み
)
せた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
折
(
をり
)
から
貸
(
かし
)
ボート
屋
(
や
)
の
桟橋
(
さんばし
)
には
舷
(
ふなばた
)
に
数知
(
かずし
)
れず
提燈
(
ちやうちん
)
を
下
(
さ
)
げた
凉船
(
すゞみぶね
)
が
間
(
ま
)
もなく
纜
(
ともづな
)
を
解
(
と
)
いて
出
(
で
)
やうとするところらしく、
客
(
きやく
)
を
呼込
(
よびこ
)
む
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
が一
層
(
そう
)
甲高
(
かんだか
)
に
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
私たちは泥岩
層
(
そう
)
の上をあちこちあるきました。所々に
壺穴
(
つぼあな
)
の
痕
(
あと
)
があって、その中には小さな円い
砂利
(
じゃり
)
が入っていました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
の
氣※
(
きかう
)
程
(
ほど
)
變化
(
へんくわ
)
の
激
(
はげ
)
しいものはない、
今
(
いま
)
は五
月
(
ぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
、
凉
(
すゞ
)
しい
時
(
とき
)
は
實
(
じつ
)
に
心地
(
こゝち
)
よき
程
(
ほど
)
凉
(
すゞ
)
しいが、
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
は
日本
(
につぽん
)
の
暑中
(
しよちう
)
よりも一
層
(
そう
)
暑
(
あつ
)
いのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして
其後
(
そのご
)
、
現在
(
げんざい
)
に
至
(
いた
)
るまで、
此
(
こ
)
の
本統
(
ほんたう
)
のコスモポリニズムは
私
(
わたし
)
の
心中
(
しんちう
)
に
層
(
そう
)
一
層
(
そう
)
の
徹底
(
てつてい
)
を
爲
(
な
)
し
來
(
きた
)
つてゐるのである。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
しかも、肩とか
胸
(
むね
)
とかの高くなつてゐる
部分
(
ぶゞん
)
に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなつてゐる部分の影を一
層
(
そう
)
暗
(
くら
)
くしながら、永久に
唖
(
おし
)
の如く
默
(
だま
)
つていた。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
可哀相
(
かあいさう
)
な
愛
(
あい
)
ちやん!
横
(
よこ
)
になつて
一
(
ひと
)
つの
眼
(
め
)
で
花園
(
はなぞの
)
を
覘
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
むことしか
出來
(
でき
)
ず
拔
(
ぬ
)
け
出
(
で
)
ることは
前
(
まへ
)
よりも一
層
(
そう
)
六ヶ
敷
(
しく
)
なつたので、
愛
(
あい
)
ちやんは
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
んで
又
(
また
)
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さうしてこの
現象
(
げんしよう
)
の
原因
(
げんいん
)
は、
水田
(
すいでん
)
の
泥
(
どろ
)
の
層
(
そう
)
が
敷地
(
しきち
)
と
共
(
とも
)
に
水桶内
(
みづをけない
)
に
於
(
お
)
ける
水
(
みづ
)
の
動搖
(
どうよう
)
と
同
(
おな
)
じ
性質
(
せいしつ
)
の
震動
(
しんどう
)
を
起
(
おこ
)
し、
校舍
(
こうしや
)
の
敷地
(
しきち
)
に
當
(
あた
)
る
所
(
ところ
)
が
蒲鉾
(
かまぼこ
)
なりに
持上
(
もちあが
)
つて
地割
(
ぢわ
)
れを
生
(
しよう
)
じ
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
螺旋状
(
らせんじょう
)
の
梯子口
(
はしごぐち
)
から二
層
(
そう
)
目
(
め
)
へかけ上がり、それより上は
階段
(
かいだん
)
がはずされてあるので、
鈎縄
(
かぎなわ
)
、あるいは
数珠梯子
(
じゅずばしご
)
などを投げかけ、われ一
番
(
ばん
)
乗
(
の
)
りとよじのぼっていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれども、この山の上のアルヴァレットでは、
今日
(
こんにち
)
になっても、あまり物が
育
(
そだ
)
たない。ここはよい土の
層
(
そう
)
がうすいので、
耕
(
たがや
)
したり
種
(
たね
)
をまいたりしようとする者がない。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
……
巌
(
いはほ
)
の
層
(
そう
)
は一
枚
(
まい
)
づゝ、
厳
(
おごそ
)
かなる、
神将
(
しんしやう
)
の
鎧
(
よろひ
)
であつた、
謹
(
つゝし
)
んで
思
(
おも
)
ふに、
色気
(
いろけ
)
ある
女人
(
によにん
)
にして、
悪
(
わる
)
く
絹手巾
(
きぬはんかち
)
でも
捻
(
ねぢ
)
らうものなら、たゞ
飜々
(
ほん/\
)
と
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
に
化
(
け
)
して
飛
(
と
)
ぶであらう。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
職務
(
しよくむ
)
を
取
(
と
)
るのは
前
(
まへ
)
にも
不好
(
いや
)
であつたが、
今
(
いま
)
は
猶
(
なほ
)
一
層
(
そう
)
不好
(
いや
)
で
堪
(
たま
)
らぬ、と
云
(
い
)
ふのは、
人
(
ひと
)
が
何時
(
いつ
)
自分
(
じぶん
)
を
欺
(
だま
)
して、
隱
(
かくし
)
にでも
密
(
そつ
)
と
賄賂
(
わいろ
)
を
突込
(
つきこ
)
みは
爲
(
せ
)
ぬか、
其
(
そ
)
れを
訴
(
うつた
)
へられでも
爲
(
せ
)
ぬか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
同時
(
どうじ
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
調節
(
てうせつ
)
、
國際貸借
(
こくさいたいしやく
)
の
改善
(
かいぜん
)
に
此上
(
このうへ
)
もない
次第
(
しだい
)
と
考
(
かんが
)
へる。
尚
(
な
)
ほ
前
(
まへ
)
に
述
(
の
)
べた
如
(
ごと
)
く、
金解禁
(
きんかいきん
)
は
日本内地
(
にほんないち
)
から
見
(
み
)
てもさうであるが、
海外
(
かいぐわい
)
から
見
(
み
)
れば一
層
(
そう
)
の
大問題
(
だいもんだい
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
やつらが
勝
(
か
)
たうと
負
(
ま
)
けようと、
中国
(
ちうごく
)
と
日本
(
にほん
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
の
上
(
うへ
)
に×
(3)
圧
(
あつ
)
の
鞭
(
むち
)
は
層
(
そう
)
一
層
(
そう
)
高
(
たか
)
く
鳴
(
な
)
り
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
その
中
(
うち
)
二頭はあばらをかみさかれているというみじめさだ。タンナリーはその後も二回でかけたが、一
層
(
そう
)
の不成功で、最後の日には、その乗馬が
断崖
(
だんがい
)
からころがり落ちて死んだ。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
春信
(
はるのぶ
)
の
画
(
え
)
で一
層
(
そう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
を
取
(
と
)
った
笠森
(
かさもり
)
おせんを
仕組
(
しく
)
んで、一
番
(
ばん
)
当
(
あ
)
てさせようと、
松江
(
しょうこう
)
が
春信
(
はるのぶ
)
と
懇意
(
こんい
)
なのを
幸
(
さいわ
)
い、
善
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げと、
早速
(
さっそく
)
きのうここへ
訪
(
たず
)
ねさせての、きょうであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
大久保
(
おほくぼ
)
は
出発前
(
しゆつぱつぜん
)
よりも一
層
(
そう
)
あせつてゐたが、
先
(
ま
)
づ
訪
(
おとづ
)
れたのは、やはり
竹村
(
たけむら
)
であつた。
彼
(
かれ
)
はロンドン
仕立
(
じたて
)
の
脊広
(
せびろ
)
を
着
(
き
)
こんでゐただけで、一
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
の
彼
(
かれ
)
と
少
(
すこ
)
しも
変
(
かは
)
つたところはなかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかしその
後
(
のち
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
は
前
(
まへ
)
にも
増
(
ま
)
して一
層
(
そう
)
謹嚴
(
きんげん
)
な
生活
(
せいくわつ
)
を
送
(
おく
)
つた。
人々
(
ひと/″\
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
に
同情
(
どうじやう
)
を
寄
(
よ
)
せて、そして
二人
(
ふたり
)
の
孝行
(
かうかう
)
な
子供
(
こども
)
を
褒
(
ほ
)
め
者
(
もの
)
にした。
誰
(
だれ
)
も
今
(
いま
)
はもう
彼女
(
かのぢよ
)
の
過去
(
くわこ
)
に
就
(
つ
)
いて
語
(
かた
)
るのを
忘
(
わす
)
れた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
子供
(
こども
)
は
此
(
この
)
話
(
はなし
)
には
滿足
(
まんぞく
)
しなかつた。
大人
(
おとな
)
の
讀者
(
どくしや
)
は
恐
(
おそ
)
らくは一
層
(
そう
)
滿足
(
まんぞく
)
しないだらう。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
……はじめは、赤く見えていた太陽も、だんだん空中にひろがるものすごい月のかけらの
層
(
そう
)
にさえぎられ、やがて、とうとうわれらの眼に見えなくなった。世の中は、まっくらになった。
氷河期の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
義男の力が、みのるの今まで考へてゐた男と云ふものゝ力の、
層
(
そう
)
にしたならその
一
(
ひ
)
と
層
(
かい
)
にも足りない事をみのるは知つてゐた。その頼りない男の力にいつまでも取り縋つてはゐたくなかつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
件
(
くだん
)
の亀の化石、本草家の
鑒定
(
かんてい
)
を
得
(
え
)
て
秦亀
(
しんき
)
ならば一
層
(
そう
)
の
珎
(
ちん
)
を
増
(
ます
)
べし。山にて
掘
(
ほり
)
得
(
え
)
たりとあれば
秦亀
(
しんき
)
にちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多は
小
(
ちひさ
)
きものにてあるひはまた
体
(
かたち
)
全
(
まつたき
)
も
稀
(
まれ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
私の住んでゐる村では、
何處
(
どこ
)
で井戸を掘つても、一丈程下へ行くと屹度澤山な
眞菰
(
まこも
)
の根に掘當てる。多い處では
層
(
そう
)
を成して
現
(
あら
)
はれる。三間ほど
掘
(
ほ
)
つて漸く水を含んだ砂に突き當てる。それは青い砂だ。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
笑聲
(
せうせい
)
が
雜然
(
ざつぜん
)
として
寮
(
れう
)
の
内
(
うち
)
は一
層
(
そう
)
騷
(
さわ
)
がしく
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
層
(
そう
)
ごとに学と芸術
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
爺
(
じい
)
やの
方
(
ほう
)
では一
層
(
そう
)
枯
(
か
)
れ
切
(
き
)
ったもので、ただもううれしくて
耐
(
たま
)
らぬと
言
(
い
)
った
面持
(
おももち
)
で、
黙
(
だま
)
って
私達
(
わたくしたち
)
の
様子
(
ようす
)
を
打
(
う
)
ち
守
(
まも
)
っているのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
余
(
よ
)
の一
家
(
か
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
涙含
(
なみだぐ
)
んだ。
此
(
この
)
優
(
やさ
)
しい
少女
(
せうぢよ
)
。
境遇
(
きやうぐう
)
が
變
(
かは
)
つて
居
(
ゐ
)
たのと、
天候
(
てんかう
)
が
曇
(
くも
)
り
勝
(
がち
)
なのとで、一
層
(
そう
)
我々
(
われ/\
)
は
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
優
(
やさ
)
しさが
感
(
かん
)
じられたのであらう。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
殊
(
こと
)
にその泥岩
層
(
そう
)
は、川の水の
増
(
ま
)
すたんび、
奇麗
(
きれい
)
に
洗
(
あら
)
われるものですから、何とも
云
(
い
)
えず青白くさっぱりしていました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鈴生
(
すゞな
)
りに
人
(
ひと
)
を
乘
(
の
)
せた
舟
(
ふね
)
が、
對岸
(
たいがん
)
に
着
(
つ
)
くまで、
口惜
(
くや
)
しさうにして
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つた
天滿與力
(
てんまよりき
)
の、
大
(
おほ
)
きな
赤
(
あか
)
い
顏
(
かほ
)
が、
西日
(
にしび
)
に
映
(
うつ
)
つて一
層
(
そう
)
赤
(
あか
)
く
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
に
見
(
み
)
えてゐた。——
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何處
(
どこ
)
でも
長
(
なが
)
い
航海
(
かうかい
)
では
船中
(
せんちゆう
)
の
散鬱
(
うさばらし
)
にと、
茶番
(
ちやばん
)
や
演劇
(
えんげき
)
や
舞踏
(
ぶたう
)
の
催
(
もようし
)
がある。
殊
(
こと
)
に
歐洲
(
をうしう
)
と
東洋
(
とうやう
)
との
間
(
あひだ
)
は
全世界
(
ぜんせかい
)
で
最
(
もつと
)
も
長
(
なが
)
い
航路
(
かうろ
)
であれば
斯
(
かゝ
)
る
凖備
(
じゆんび
)
は一
層
(
そう
)
よく
整
(
とゝな
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
忽ち其所へ
打倒
(
うちたふ
)
し
滅
(
めつ
)
た
擲
(
なぐ
)
りに
打据
(
うちすゑ
)
たり斯る所へ半四郎は
彼早足
(
かのはやあし
)
も一
層
(
そう
)
遽
(
はげ
)
しく堤の彼方へ
來懸
(
きかゝ
)
りて遙か向うを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしたちは第一
層
(
そう
)
にいた。水はもうここまで来ていた。ランプが消えていたので、明かりはなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
が、
苦
(
くる
)
しみは
少
(
すこ
)
しもない。
唯
(
ただ
)
胸
(
むね
)
が
冷
(
つめ
)
たくなると、一
層
(
そう
)
あたりがしんとしてしまつた。ああ、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
靜
(
しづ
)
かさだらう。この
山陰
(
やまかげ
)
の
藪
(
やぶ
)
の
空
(
そら
)
には、
小鳥
(
ことり
)
一
羽
(
は
)
囀
(
さえづ
)
りに
來
(
こ
)
ない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「それはすぐこのご
本殿
(
ほんでん
)
の
階上
(
うえ
)
、三
層
(
そう
)
までの
階段
(
かいだん
)
をみな取りはずしてございますうえに、あの
池
(
いけ
)
のほうにも、
侍
(
さむらい
)
を
伏
(
ふ
)
せておきましたゆえ、これまた、ご安心でござります」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
町
(
まち
)
では
病院
(
びやうゐん
)
の
這麼有樣
(
こんなありさま
)
を
知
(
し
)
らぬのでは
無
(
な
)
く、一
層
(
そう
)
棒大
(
ぼうだい
)
にして
亂次
(
だらし
)
の
無
(
な
)
いことを
評判
(
ひやうばん
)
してゐたが、
是
(
これ
)
に
對
(
たい
)
しては
人々
(
ひと/″\
)
は
至
(
いた
)
つて
冷淡
(
れいたん
)
なもので、
寧
(
むし
)
ろ
病院
(
びやうゐん
)
の
辯護
(
べんご
)
をしてゐた
位
(
くらゐ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
湯
(
ゆ
)
どころか、お
茶
(
ちや
)
さへ
碌
(
ろく
)
におもてなしもいたされませんが、
那
(
あ
)
の、
此
(
こ
)
の
裏
(
うら
)
の
崖
(
がけ
)
を
下
(
お
)
りますと、
綺麗
(
きれい
)
な
流
(
ながれ
)
がございますから一
層
(
そう
)
其
(
それ
)
へ
行
(
い
)
らつしやツてお
流
(
なが
)
しが
宜
(
よ
)
うございませう
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
何
(
ど
)
うしたら
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
れて?』と
以前
(
まへ
)
よりも一
層
(
そう
)
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
で
再
(
ふたゝ
)
び
愛
(
あい
)
ちやんが
訊
(
たづ
)
ねました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
食事後
(
しよくじご
)
の
気分
(
きぶん
)
は
前
(
まえ
)
よりも一
層
(
そう
)
打寛
(
うちくつろ
)
いだものであつたが、
彼等
(
かれら
)
の
或者
(
あるもの
)
は
尚
(
なお
)
も
未練
(
みれん
)
がましく
私達
(
わたしたち
)
の
傍
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
つて
来
(
き
)
て、
揉手
(
もみて
)
をしながら「キヤンニユスピイク、イングリシユ?」を
繰返
(
くりかえ
)
した。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
さうして
深
(
ふか
)
い
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
はこの
質
(
しつ
)
の
層
(
そう
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
其表面
(
そのひようめん
)
まで
達
(
たつ
)
してゐるか、
或
(
あるひ
)
は
表面近
(
ひようめんちか
)
く
進
(
すゝ
)
んで
來
(
き
)
てゐて、
其上
(
そのうへ
)
を
陸界
(
りくかい
)
の
性質
(
せいしつ
)
のもので
薄
(
うす
)
く
被
(
おほ
)
ふてゐるくらゐにすぎぬと、かう
考
(
かんが
)
へられてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
私
(
わたし
)
たちが近寄ると、ブランカはきっと立ちあがってものすごい長ぼえをした。すると、はるかに
木蔭
(
こかげ
)
から、同じ調子の一
層
(
そう
)
高いほえ声がひびいてきた。それはロボの声にちがいない。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
所詮
(
しょせん
)
は
男
(
おとこ
)
も
女
(
おんな
)
もなく、おせんに
取
(
と
)
っては
迷惑千万
(
めいわくせんばん
)
に
違
(
ちが
)
いなかろうが、
遠慮会釈
(
えんりょえしゃく
)
はからりと
棄
(
す
)
てた
厚
(
あつ
)
かましさからつるんだ
犬
(
いぬ
)
を
見
(
み
)
に
行
(
ゆ
)
くよりも、一
層
(
そう
)
勢
(
きお
)
い
立
(
た
)
って、どっとばかりに
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
件
(
くだん
)
の亀の化石、本草家の
鑒定
(
かんてい
)
を
得
(
え
)
て
秦亀
(
しんき
)
ならば一
層
(
そう
)
の
珎
(
ちん
)
を
増
(
ます
)
べし。山にて
掘
(
ほり
)
得
(
え
)
たりとあれば
秦亀
(
しんき
)
にちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多は
小
(
ちひさ
)
きものにてあるひはまた
体
(
かたち
)
全
(
まつたき
)
も
稀
(
まれ
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ぽかりと
目
(
め
)
を
開
(
あ
)
いたら、
朝
(
あさ
)
が
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へたやうに
硝子
(
ガラス
)
の
外
(
そと
)
から
私
(
わたし
)
を
覗
(
のぞ
)
いてゐた。
夢
(
ゆめ
)
と
現
(
うつゝ
)
の
境
(
さかひ
)
ごろに、
近
(
ちか
)
くで一
發
(
ぱつ
)
の
獵銃
(
れふじう
)
の
音
(
おと
)
が
響
(
ひゞ
)
いたやうだつけ、その
響
(
ひゞき
)
で一
層
(
そう
)
あたりが
靜
(
しづ
)
かにされたやうな
朝
(
あさ
)
である。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
で、
私
(
わたくし
)
は一
生
(
しょう
)
懸命
(
けんめい
)
深
(
ふか
)
い
統一
(
とういつ
)
に
入
(
はい
)
り、
過去
(
かこ
)
の一
切
(
さい
)
の
羈絆
(
きずな
)
を
断
(
た
)
ち
切
(
き
)
ることによりて、一
層
(
そう
)
自由自在
(
じゆうじざい
)
な
神通力
(
じんつうりき
)
を
恵
(
めぐ
)
まれるよう、
心
(
こころ
)
から
神様
(
かみさま
)
に
祈願
(
きがん
)
しました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
層
常用漢字
小6
部首:⼫
14画
“層”を含む語句
一層
大層
上層
下層
貝層
層塔
層雲
五層
水層
沖積層
火山礫層
三層楼
三層
層楼
成層圏
地層
岩層
層々
御大層
幾層倍
...