“境遇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうぐう58.7%
きやうぐう25.4%
シチュアション1.6%
きゃうぐう1.6%
けふぐう1.6%
けふぐふ1.6%
ところ1.6%
みのうへ1.6%
シチュアシオン1.6%
シチュエション1.6%
シチュエーション1.6%
環境1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供はその生れる境遇きょうぐうによって、非常な損得そんとくをする。しかし父親だって、運命のもとにあえぎあえぎ生きているのだから致し方もない。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
甘やかされ放題に育つた箱入娘が、境遇きやうぐうの激變の中に揉み拔かれると、どうかしたはずみで、こんな人格の破産者になるのでせう。
竜太郎は予想だもしなかったこの境遇シチュアションを、じぶんで信じかねるような気持だった。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ロレ ても、いたましい悲哀ひあひ感應かんおう! どく境遇きゃうぐう
運命うんめい人間にんげんかたちきざめり、境遇けふぐう人間にんげん姿すがたつくれり、不可見の苦繩人間の手足を縛せり、不可聞の魔語人間の耳朶を穿てり、信仰しんこうなきのひと自立じりつなきのひと寛裕かんゆうなきのひと
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
ドストみづか露國ロコク平民社界へいみんしやくわい暗澹あんたんたる境遇けふぐふ實踐じつせんしたるひとなり、しかしてその述作じゆつさくするところは、およ露西亞人ロシアジン血痕けつこん涙痕るいこんをこきまぜて、ふべからざる入神にうしん筆語ひつごて、虚實きよじつ兩世界りようせかい出入しゆつにうせり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
境遇ところひとこころうつすとやら、自分じぶん現世時代げんせじだいしたしんだのとそっくりの景色けしきなかひしいだかれて、べつすこともなくたった一人ひとりらしてりますと、かんがえはいつとはなしにとおとおむかし
おそろしき一夜いちやつひけた。ひがしそらしらんでて、融々うらゝかなる朝日あさひひかり水平線すいへいせん彼方かなたから、我等われらうへてらしてるのは昨日きのふかはらぬが、かはてたのは二人ふたり境遇みのうへである。
探検隊の一行は、突然、このうえもない危険な境遇シチュアシオンへおしやられることになった。暗道の中で七人を追いつめて、全部射殺してしまう以外に、この悪運からのがれるみちはなかった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
性格的「タイプ」を創造することはできなかつたが、現代社会を形造る階級的乃至職業的「タイプ」を捉へて、微細な観察を下し、これを特殊な「境遇シチュエション」の中に投げ込んで、一種のグロテスクな
仏国現代の劇作家 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
倭文子と二人きりになって話をすることなどは、この境遇シチュエーションでは思いも及ばなかった。それよりも、今ではいかにこの場を体裁よく脱け出すかが問題だった。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「フランス文学史の中で、個性の展開が境遇環境と積極的にかみ合い、境遇さえ主動的に変化させてゆくような作品があらわれたのはいつ、誰からだろう」