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境遇
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きやうぐう
ふりがな文庫
“
境遇
(
きやうぐう
)” の例文
甘やかされ放題に育つた箱入娘が、
境遇
(
きやうぐう
)
の激變の中に揉み拔かれると、どうかしたはずみで、こんな人格の破産者になるのでせう。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分が不滿足なる
境遇
(
きやうぐう
)
に在りながら全力を擧げて歌を研究しようなどと言つてゐる事、しかも其歌の極平凡な叙事叙景の歌に過ぎない事
歌のいろ/\
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
本人
(
ほんにん
)
に
自營獨立
(
じえいどくりつ
)
の
心
(
こゝろ
)
さへ
定
(
さだま
)
つて
居
(
を
)
れば、どんな
塲所
(
ばしよ
)
へ
出
(
だ
)
しても、
又
(
また
)
どんな
境遇
(
きやうぐう
)
に
處
(
しよ
)
しても
差支
(
さしつかへ
)
なく、
變通自在
(
へんつうじざい
)
でありませう。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
遠くの
騒
(
さわ
)
ぎ
唄
(
うた
)
、
富貴
(
ふうき
)
の
羨望
(
せんばう
)
、生存の快楽、
境遇
(
きやうぐう
)
の絶望、機会と運命、誘惑、殺人。
波瀾
(
はらん
)
の上にも
脚色
(
きやくしよく
)
の
波瀾
(
はらん
)
を
極
(
きは
)
めて、
遂
(
つひ
)
に演劇の
一幕
(
ひとまく
)
が終る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
余
(
よ
)
の一
家
(
か
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
涙含
(
なみだぐ
)
んだ。
此
(
この
)
優
(
やさ
)
しい
少女
(
せうぢよ
)
。
境遇
(
きやうぐう
)
が
變
(
かは
)
つて
居
(
ゐ
)
たのと、
天候
(
てんかう
)
が
曇
(
くも
)
り
勝
(
がち
)
なのとで、一
層
(
そう
)
我々
(
われ/\
)
は
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
優
(
やさ
)
しさが
感
(
かん
)
じられたのであらう。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
勘次
(
かんじ
)
も
彼等
(
かれら
)
の
仲間
(
なかま
)
である。
然
(
しか
)
しながら
彼
(
かれ
)
は
境遇
(
きやうぐう
)
の
異常
(
いじやう
)
な
刺戟
(
しげき
)
から
寸時
(
すんじ
)
も
其
(
そ
)
の
身
(
み
)
を
安住
(
あんぢゆう
)
せしむる
餘裕
(
よゆう
)
を
有
(
も
)
たなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
やら
性質
(
せいしつ
)
が、
夫程
(
それほど
)
盲目的
(
まうもくてき
)
に
猛烈
(
まうれつ
)
な
働
(
はたらき
)
を
敢
(
あへ
)
てするに
適
(
てき
)
しない
事
(
こと
)
を
深
(
ふか
)
く
悲
(
かな
)
しんだ。
况
(
いは
)
んや
自分
(
じぶん
)
の
此
(
この
)
山
(
やま
)
で
暮
(
く
)
らすべき
日
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
に
限
(
かぎ
)
られてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ドクトルが
恰
(
まる
)
で
乞食
(
こじき
)
にも
等
(
ひと
)
しき
境遇
(
きやうぐう
)
と、
思
(
おも
)
はず
涙
(
なみだ
)
を
落
(
おと
)
して、ドクトルを
抱
(
いだ
)
き
締
(
し
)
め、
聲
(
こゑ
)
を
上
(
あ
)
げて
泣
(
な
)
くので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夫
(
そ
)
れが
實際問題
(
じつさいもんだい
)
になると、
土地
(
とち
)
の
状態
(
じやうたい
)
風土
(
ふうど
)
の
關係
(
くわんけい
)
、
住者
(
ぢうしや
)
の
身分
(
みぶん
)
、
境遇
(
きやうぐう
)
、
趣味
(
しゆみ
)
、
性癖
(
せいへき
)
、
資産
(
しさん
)
、
家族
(
かぞく
)
、
職業
(
しよくげふ
)
その
他
(
た
)
種々雜多
(
しゆ/″\ざつた
)
の
素因
(
そいん
)
が
混亂
(
こんらん
)
して
互
(
たがひ
)
に
相
(
あい
)
交渉
(
かうせう
)
するので
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
頑是
(
ぐわんぜ
)
なき
少年
(
せうねん
)
の
常
(
つね
)
とてかゝる
境遇
(
きやうぐう
)
に
落
(
お
)
ちても、
昨夜
(
さくや
)
以來
(
いらい
)
の
疲勞
(
つかれ
)
には
堪兼
(
たへか
)
ねて、
私
(
わたくし
)
の
膝
(
ひざ
)
に
凭
(
もた
)
れた
儘
(
まゝ
)
、スヤ/\と
眠
(
ねむ
)
りかけたが、
忽
(
たちま
)
ち
可憐
(
かれん
)
の
唇
(
くちびる
)
を
洩
(
も
)
れて
夢
(
ゆめ
)
の
聲
(
こゑ
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
鷸
(
しぎ
)
にありては
百羽掻也
(
もゝはがきなり
)
、僕にありては
百端書也
(
もゝはがきなり
)
月
(
つき
)
や
残
(
のこ
)
んの
寝覚
(
ねざ
)
めの
空
(
そら
)
老
(
おゆ
)
れば人の
洒落
(
しやれ
)
もさびしきものと
存候
(
ぞんじさふらふ
)
、
僕
(
ぼく
)
昨今
(
さくこん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
にては、
御加勢
(
ごかせい
)
と申す程の事もなりかね
候
(
さふら
)
へども
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はその
時
(
とき
)
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
をふりかへつて、
再婚
(
さいこん
)
に
心
(
こゝろ
)
の
動
(
うご
)
くのは
無理
(
むり
)
もないことだと
自
(
みづか
)
ら
裁
(
さば
)
いた。それを
非難
(
ひなん
)
する
人
(
ひと
)
があつたならば、
彼女
(
かのぢよ
)
は
反對
(
はんたい
)
にその
人
(
ひと
)
を
責
(
せ
)
めたかもしれない。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
俺だつて一個の人間であつて見れば、何時まで
自己
(
じこ
)
を
没却
(
ぼつきやく
)
して、此様に苦しむでゐる、ことあ有りやしない。一つ
羽
(
はね
)
を伸して、此のあやふやな
境遇
(
きやうぐう
)
を脱けて見やうじやないか。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
従兄妹
(
いとこ
)
同
志
(
し
)
で
恋
(
こひ
)
し合つて、青木さんの
境遇
(
きやうぐう
)
にすれば
多少
(
たせう
)
早過
(
はやす
)
ぎもしたのであつたが、
互
(
たがひ
)
に
思
(
おも
)
ひつめた
若々
(
わか/\
)
しい
熱情
(
ねつじやう
)
のまゝに
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
結婚生活
(
けつこんせいくわつ
)
にはいつた二人は、まる三年
間
(
かん
)
を
※
(
へ
)
たその
頃
(
ころ
)
になつて
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
お
品
(
しな
)
がそれ
程
(
ほど
)
苦勞
(
くらう
)
した
米穀
(
べいこく
)
の
問題
(
もんだい
)
が
其
(
そ
)
の
死後
(
しご
)
四五
年間
(
ねんかん
)
の
惨憺
(
さんたん
)
たる
境遇
(
きやうぐう
)
から
漸
(
やうや
)
く
解決
(
かいけつ
)
が
告
(
つ
)
げられようとしたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
一度
(
ひとたび
)
別れたお
糸
(
いと
)
とは
互
(
たがひ
)
に異なる
其
(
そ
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
から
日
(
ひ
)
一
日
(
にち
)
と
其
(
そ
)
の心までが
遠
(
とほざ
)
かつて行つて、
折角
(
せつかく
)
の
幼馴染
(
をさなゝじみ
)
も
遂
(
つひ
)
にはあかの他人に
等
(
ひと
)
しいものになるであらう。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
一
體
(
たい
)
この
規則
(
きそく
)
でさせる
事
(
こと
)
は
規則
(
きそく
)
其物
(
そのもの
)
の
存
(
そん
)
してゐる
間
(
あひだ
)
、
即
(
すなは
)
ち
規則
(
きそく
)
にはまつて
居
(
ゐ
)
る
間
(
あひだ
)
はよろしいが、
他日
(
たじつ
)
境遇
(
きやうぐう
)
が
變
(
か
)
はると、
一方
(
ひとかた
)
ならぬ
差支
(
さしつかへ
)
を
生
(
しやう
)
ずる
事
(
こと
)
がありませう。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
今
(
いま
)
斯
(
か
)
くなつて
同
(
おな
)
じ
境遇
(
きやうぐう
)
に、
長
(
なが
)
き
月日
(
つきひ
)
を
暮
(
くら
)
す
間
(
あひだ
)
には、
何時
(
いつ
)
か
君等
(
きみら
)
の
前
(
まへ
)
に、
其事
(
そのこと
)
の
表顯
(
あらはれ
)
ずには
終
(
をは
)
るまい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小六
(
ころく
)
は
實際
(
じつさい
)
こんな
用
(
よう
)
をするのを、
内心
(
ないしん
)
では
大
(
おほ
)
いに
輕蔑
(
けいべつ
)
してゐた。ことに
昨今
(
さくこん
)
自分
(
じぶん
)
が
已
(
や
)
むなく
置
(
お
)
かれた
境遇
(
きやうぐう
)
からして、
此際
(
このさい
)
多少
(
たせう
)
自己
(
じこ
)
を
侮辱
(
ぶじよく
)
してゐるかの
觀
(
くわん
)
を
抱
(
いだ
)
いて
雜巾
(
ざふきん
)
を
手
(
て
)
にしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
別段
(
べつだん
)
さうするやうに
言
(
い
)
ひつけた
譯
(
わけ
)
ではなかつたけれど、
自然
(
しぜん
)
自然
(
しぜん
)
に
母
(
はゝ
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
を
會得
(
ゑとく
)
して
來
(
き
)
た
娘
(
むすめ
)
の
君子
(
きみこ
)
は、十三になつた
今年頃
(
ことしごろ
)
から、一
人前
(
にんまへ
)
の
仕事
(
しごと
)
にたづさはるのを
樂
(
たの
)
しむものゝやうに
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
又
(
また
)
他
(
た
)
の
人
(
ひと
)
は
建築
(
けんちく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
は「實」であると
云
(
い
)
ふかも
知
(
し
)
れぬ。
孰
(
いづ
)
れが
正
(
せい
)
で
孰
(
いづ
)
れが
邪
(
じや
)
であるかは
容易
(
ようい
)
に
分
(
わか
)
らない。
人
(
ひと
)
の
心理状態
(
しんりじやうたい
)
は
個々
(
こゝ
)
に
異
(
こと
)
なる、その
心理
(
しんり
)
は
境遇
(
きやうぐう
)
に
從
(
したが
)
て
移動
(
いどう
)
すべき
性質
(
せいしつ
)
を
有
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
十九と聞きましたが、
境遇
(
きやうぐう
)
のせゐか、年よりはふけて、二十二三と言つても通るでせう。少し陰氣な感じですが、素晴しい美人で、何となく
藪蔭
(
やぶかげ
)
に咲き
誇
(
ほこ
)
つて居る
月見草
(
つきみさう
)
を思はせる娘でした。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
が
什麽
(
どんな
)
であるかは
思
(
おも
)
はなかつた。
又
(
また
)
恁
(
か
)
ういふ
人々
(
ひとびと
)
の
憐
(
あは
)
れなことも
想
(
おも
)
ひやる
暇
(
いとま
)
がなかつた。さうして
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
技倆
(
うで
)
が
愉快
(
ゆくわい
)
になつた。
彼
(
かれ
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
土手
(
どて
)
から
見
(
み
)
おろした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かゝる
喜
(
よろこ
)
ばしき
境遇
(
きやうぐう
)
の
間
(
あひだ
)
に、
首尾
(
しゆび
)
よく
竣成
(
しゆんせい
)
した
自動鐵檻車
(
じどうてつおりぐるま
)
は、
終
(
つひ
)
に
洞中
(
どうちう
)
の
工作塲
(
こうさくば
)
を
出
(
で
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
くれ/″\もゝう、
境遇
(
きやうぐう
)
に
向
(
むか
)
つて
不平
(
ふへい
)
の
呟
(
つぶや
)
きを
洩
(
も
)
らす時は過ぎ
去
(
さ
)
りました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
文藝
(
ぶんげい
)
にも
哲學
(
てつがく
)
にも
縁
(
ゑん
)
のない
彼等
(
かれら
)
は、
此
(
この
)
味
(
あぢ
)
を
舐
(
な
)
め
盡
(
つく
)
しながら、
自分
(
じぶん
)
で
自分
(
じぶん
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
得意
(
とくい
)
がつて
自覺
(
じかく
)
する
程
(
ほど
)
の
知識
(
ちしき
)
を
有
(
も
)
たなかつたから、
同
(
おな
)
じ
境遇
(
きやうぐう
)
にある
詩人
(
しじん
)
や
文人
(
ぶんじん
)
などよりも、
一層
(
いつそう
)
純粹
(
じゆんすゐ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“境遇”の意味
《名詞》
社会生活の上で、その人を取り巻く周囲の事情。
(出典:Wiktionary)
“境遇”の解説
『境遇』(きょうぐう)は、湊かなえによる日本の小説およびテレビドラマ。ABC創立60周年記念のために書き下ろされた作品であり、完成までに3年を要している。
(出典:Wikipedia)
境
常用漢字
小5
部首:⼟
14画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“境”で始まる語句
境内
境
境界
境涯
境目
境地
境川
境木峠
境木
境論