“裁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さば50.5%
35.8%
3.2%
たち2.1%
1.1%
さい1.1%
さばき1.1%
したて1.1%
たゝ1.1%
たヽ1.1%
つく1.1%
わずか1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「果てしない押問答、むだな争いというものだ。このうえは、西山荘へ参って、老公に是か非かのおさばきを仰ごう。さあ、歩け」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貧乏性だわねえ、あんたは。今日は黄道吉日こうどうきちにちでしょ。お大尽だいじんの仕立て物には、ち祝いということをするもンなのよ、知らない?」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せつかく織り上げた上帛ハタを、つたりつたり、段々布は狹くなつて行く。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
小野田は時々外廻りに歩いて、あとは大抵店でたちをやっていたが、すきがありさえすれば蓄音器をいじっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
われわれの惱みと切ない腐りをりさり
季節の馬車 (旧字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
肉をさいするをいさぎよしとせずして、天下を裁するの志を抱き、政府に対してこれに感服せざるのみならず、つねに不平を訴うるほどのことなれば、その心志のとどまるところは
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と役人は、さばきをするときの姿勢に坐つていつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
したてて送んとしおもへさだめつかれに痩せ昔の腰圍こしまはりにはあるまじときぬたゝんとして躊躇するにも似たりしかしてこれは丁寧ていねい尚ほ足袋に及ぶ爪先までも心の屆きし事といふべし又次の歌は想ふ人を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
したてて送んとしおもへさだめつかれに痩せ昔の腰圍こしまはりにはあるまじときぬたゝんとして躊躇するにも似たりしかしてこれは丁寧ていねい尚ほ足袋に及ぶ爪先までも心の屆きし事といふべし又次の歌は想ふ人を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
最初の覚書にはまだひかるのエプロンにはこんな形がいいとか、股引もヽひきはかうして女中にたヽせて下さいとか書いて図を引いて置いたりしましたが、其頃そのころのことを思ひますとひかるは大きくなりました。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そを見るに橘樹の小さなる、指頭ゆびさきほどあるを、細やかにつくりなせり。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
驕子きょうし良三は往々五十四万石の細川家から、十万石の津軽家に壻入する若殿をしのいで、旅中下風かふうに立っている少年のたれなるかを知らずにいた。寛五郎は今の津軽伯で、当時わずかに十七歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)