“不体裁”のいろいろな読み方と例文
旧字:不體裁
読み方割合
ふていさい71.4%
ざまのな14.3%
ふしだら7.1%
ぶていさい7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれどもその大部分は支那のクーリーで、一人見てもきたならしいが、二人寄るとなお見苦しい。こうたくさんかたまるとさらに不体裁ふていさいである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
癇張声かんばりごえに胆を冷やしてハッと思えばぐゎらり顛倒てんどう手桶ておけ枕に立てかけありし張物板に、我知らず一足二足踏みかけて踏みかえしたる不体裁ざまのなさ。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
津田にとついで以後、かつてこんな不体裁ふしだらを夫に見せたおぼえのない彼女は、その夫が今自分と同じへやの中に寝ていないのを見て、ほっと一息した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今日のりきみは身をそん愚弄ぐろうまねくのなかだちたるを知り、早々にその座を切上げて不体裁ぶていさいの跡を収め、下士もまた上士に対して旧怨きゅうえんを思わず、執念しゅうねん深きは婦人の心なり
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)