“体裁”のいろいろな読み方と例文
旧字:體裁
読み方割合
ていさい70.3%
ていたらく12.2%
きまり10.8%
さま2.7%
しこう1.4%
だらし1.4%
てい1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もともと、抜け目の無い男で、「オベリスク」の編集は世間へのお体裁ていさい、実は闇商売やみしょうばいのお手伝いして、いつも、しこたま、もうけている。
グッド・バイ (新字新仮名) / 太宰治(著)
裏道小町はさもなかったそうでござりますが、とおり一筋道は、まるで、諸道具、衣類、調度が押流されました体裁ていたらく、足の踏所もござりませなんだ。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うちでは阿母さんが一番気の毒だ。………併し阿父さんも、あんな羊羹色ようかんいろのフロツクしか無いんだもの、知事さんの前なんかで体裁きまりが悪るからう。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
後は芝居の噂やら弟子どもが行状みもちの噂、真に罪なき雑話を下物さかなに酒も過ぎぬほど心よく飲んで、下卑げび体裁さまではあれどとり膳むつまじく飯を喫了おわ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私はつんつるてんの綿入に紺足袋穿こんたびばきという体裁しこうで、奥様に見られるのが何より気恥しゅう御座ございました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
兎も角もそんな体裁だらしない風をして雨の中を歩く奴があるものか、待て待て、俺が始末をして遣ると、背後から手を伸して後褄うしろづまを引あげ、裳をクルリと捲る途端にピカリ
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
丁度申下刻なゝつさがりに用をしまって湯にくというので、鳴海なるみの養老の単物ひとえものといえば体裁ていいが、二三度水に這入ったから大きに色がめましたが、八反に黒繻子の腹合せと云っても