“ていたらく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
為体46.3%
体裁22.0%
体態7.3%
爲體7.3%
為態4.9%
体為2.4%
体落2.4%
体装2.4%
容体2.4%
行體2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その他のはおはなしにならず、ただ名のみを今も昔のままに看板だけで通している為体ていたらく、して見ると食道楽の数も大分減ったのが判るようだ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
「さいなあ。今生こんじょうの思い出に今一度、見たいと思うてはおりまするが、今の体裁ていたらくでは思いも寄りませぬ事で……」
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
友吉親子が漕いで行く小舟に乗って、近づいて行った吾輩は、この体態ていたらくを見て一種の義憤を感じたよ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
馬鹿ばかめ、なんぢ不便ふびんさに、をんなかたちへてつたに、何事なにごとぞ、爲體ていたらくは。今去矣さらばだあ。」
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此の者どもが御場所柄をもわきまえず大声おおごえに罪を争います為態ていたらく、見るに忍びず、かく申す文治までがお奉行職の御面前にて高声こうせいを発したる段重々恐れ入ります、お此の上一言いちごん申し聞けとう存じます故
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こうなって来ると、何んとか見得を切らなければ花道の引込ひっこみが付かない。しかしこの場の敗北は散々の体為ていたらく、いかんとも為様しようがないので、黙って引込むにしかずと考えた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
しかもそれが皆暗中模索の体為ていたらく、いくら考えてもまとまりが付かなかった。ジルベールが彼に水晶の栓を渡した。ジルベールが彼に手紙を送って寄越した。それが皆一時に消えて無くなった。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
師匠にいわれて振り返ったら、白黒碁石が雨とみだれてそのドまん中にかしこまっている自分の姿は、その昔国芳師匠が酔い書きにした碁盤忠信召捕の武者絵もかくやの体落ていたらくだった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
じつはここへくる途中、青山の久保本まで大廻りして、あらかじめ女主人と下足番の爺やとから、発病前後のことを聞きただしてきたのだが、師匠の一家はいま聞きしに勝る惨憺たる体落ていたらくだった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
他事ひとごとながらいたわしくて、記すのに筆がふるえる、遥々はるばる故郷おくにから引取られて出て来なすっても、不心得な小説孫が、かたのごとき体装ていたらくであるから
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
顔は水膨みづぶくれに気味悪くふくれ、眼はすさまじく一所を見つめ、鼻洟はななかば開いた口に垂れ込み、だらりと大いなる睾丸きんたまをぶら下げたるその容体ていたらく、自分は思はず両手に顔をおほつたのであつた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
赤蟻あかありかれのモヂヤ/\したひげの中を草場くさはらかと心得こゝろえまはるといふ行體ていたらく
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)