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為体
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ていたらく
ふりがな文庫
“
為体
(
ていたらく
)” の例文
旧字:
爲體
(待てよ、そうして、自分の
為体
(
ていたらく
)
を見、ひいては、源氏の
輩
(
ともがら
)
が、どんな士風か、どんな者の寄合か、試みておられるのかもしれない)
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その他のはお
談
(
はなし
)
にならず、ただ名のみを今も昔のままに看板だけで通している
為体
(
ていたらく
)
、して見ると食道楽の数も大分減ったのが判るようだ。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
絶間無き騒動の
中
(
うち
)
に
狼藉
(
ろうぜき
)
として
戯
(
たはむ
)
れ遊ぶ
為体
(
ていたらく
)
は
三綱五常
(
さんこうごじよう
)
も
糸瓜
(
へちま
)
の皮と地に
塗
(
まび
)
れて、
唯
(
ただ
)
これ
修羅道
(
しゆらどう
)
を
打覆
(
ぶつくりかへ
)
したるばかりなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
というのは、ハンカチを当てていたからでもあるが、第一、肝腎の鼻そのものが、一体どこへ行ったのやら皆目わからない
為体
(
ていたらく
)
であったからである。
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
ようやく田地を養い候ほどの
為体
(
ていたらく
)
、お百姓どもも近村に引き比べては一層の
艱苦
(
かんく
)
仕り候儀に御座候……
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
それならこの
為体
(
ていたらく
)
は一体どうしたのかとでも言いたそうに、黒須は煙草をふかしながら、二人を見比べていたが、庸三という老年の文学者が、
蔭
(
かげ
)
で葉子を
操
(
あやつ
)
っている
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
さすがの彼も、もう煙草どころではなく、段々話が進むにつれ、好奇心が恐怖に変って、いわば鷲につかまった
雀
(
すずめ
)
が、鷲から懺悔話をきいて居るといったような
為体
(
ていたらく
)
であった。
按摩
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
その晩の
為体
(
ていたらく
)
には
怖毛
(
おぞけ
)
を震って、さて
立退
(
たちの
)
いて貰いましょ、御近所の前もある、と
店立
(
たなだ
)
ての談判にかかりますとね、引越賃でもゆする気か、酢のこんにゃくので動きませんや。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
是や見し
往時
(
むかし
)
住みにし跡ならむ蓬が露に月の隠るゝ有為転変の有様は、
色即空
(
しきそくくう
)
の
道理
(
ことわり
)
を示し、亡きあとにおもかげをのみ遺し置きて我が
朋友
(
ともどち
)
はいづち行きけむ無常迅速の
為体
(
ていたらく
)
は
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それに御存じの通りの
為体
(
ていたらく
)
で、一向
支度
(
したく
)
らしい支度もありませんし、おまけに私という
厄介者
(
やっかいもの
)
まで附いているような始末で、正直なところ、今度のような話を取り逃した日には
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
しかもその下から大刀の
鞘
(
さや
)
と小刀の
小尻
(
こじり
)
とが見えていた様子といい、一壇高き切株へどッかと腰を打ち掛けて、屋台店の
蟹
(
かに
)
と
跋扈
(
ふみはだ
)
かッていた
為体
(
ていたらく
)
といい、いかさまこの中の
頭領
(
かしら
)
と見えた。
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
コレ高、己が五日か十日の間東京へ往ってる
間
(
ま
)
に斯う云う密夫を引入れて、此の
為体
(
ていたらく
)
は何う云うものか、実にどうも何とも何うも言語道断の仕末じゃアないか、お前は僕に
斯
(
か
)
くまで恥辱を
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それ以来初松魚の有難味頓と下り果てた
為体
(
ていたらく
)
、竜も雲を得ざれば天に及ばず、時なればこれとても是非ないことかな。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
一様に開いた口を塞ぐことも出来ない
為体
(
ていたらく
)
であつた——一同の面前には村長の義妹が立つてゐたのである。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
渠らは千体仏のごとく
面
(
おもて
)
を
鳩
(
あつ
)
め、あけらかんと
頤
(
おとがい
)
を垂れて、おそらくは
画
(
え
)
にも
観
(
み
)
るべからざるこの不思議の
為体
(
ていたらく
)
に
眼
(
め
)
を奪われたりしに、その馬は奇怪なる御者と、奇怪なる美人と
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
懼
(
おそ
)
れたるにもあらず、
困
(
こう
)
じたるにもあらねど、又全くさにあらざるにもあらざらん
気色
(
けしき
)
にて貫一の
容
(
かたち
)
さへ
可慎
(
つつま
)
しげに黙して控へたるは、かかる所にこの人と共にとは
思懸
(
おもひか
)
けざる
為体
(
ていたらく
)
を
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
で、とにもかくにも御引受して、さて、筆を取って見ると、少なからぬ興奮を覚え、いささか、かたくなった
為体
(
ていたらく
)
である。だから、うっかりすると、甚しく脱線したことを書かぬとも限らない。
「心理試験」序
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
と金を貰ってしくしく
泣
(
ない
)
て居りました、此の
為体
(
ていたらく
)
を見て一座の男が
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しょうがないから、百姓馬をつけて、戻って来たってえ
為体
(
ていたらく
)
さ! そら、ちょっと窓から見てくれよ!
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そこで、連中は、と見ると、いやもう散々の
為体
(
ていたらく
)
。時間が時間だから、ぐったり疲切って、向うの縁側へ
摺出
(
ずりだ
)
して、
欄干
(
てすり
)
に
臂
(
ひじ
)
を懸けて、夜風に当っているのなどは、まだ
確
(
たしか
)
な分で。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は唯不思議の
為体
(
ていたらく
)
に
呆
(
あき
)
れ惑ひて
言
(
ことば
)
も
出
(
い
)
でず、
漸
(
やうや
)
く泣ゐる彼を
推斥
(
おしの
)
けんと為たれど、
膠
(
にかは
)
の附きたるやうに取縋りつつ、益す泣いて泣いて止まず。涙の
湿
(
うるほひ
)
は
単衣
(
ひとへ
)
を
透
(
とほ
)
して、この
難面
(
つれな
)
き人の
膚
(
はだへ
)
に
沁
(
し
)
みぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それに襟は垢でてかてかと光り、ボタンが三つともとれて、糸だけ残っているという
為体
(
ていたらく
)
であった。
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
それとも夢にも劣らぬ馬鹿げたことを
現
(
うつつ
)
でやっているのか、頓と見当もつかない
為体
(
ていたらく
)
であった。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
それどころかこの城塞ときては、すっかり
怖気
(
おじけ
)
づいてしまって、魂も身に添わぬ
為体
(
ていたらく
)
であった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
ところが、そんなものを抵当に、国庫から金を借り出すなどということは、その頃はまだ珍らしいことであっただけに、借りる方でも聊かおっかなびっくりの
為体
(
ていたらく
)
であった。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そもそも
間
(
ま
)
がわるく、そのお蔭で道々もずっと、右の車輪が左の車輪よりぐっと高く持ちあがるかと思えば、左の車輪が右の車輪より高く持ちあがるといった
為体
(
ていたらく
)
であった。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
焦げついたものがあるかと思えば、まだ生煮えのものがあるという
為体
(
ていたらく
)
であった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“為”で始まる語句
為
為事
為方
為替
為人
為様
為合
為来
為業
為朝