“怖毛”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おぞけ57.1%
おじけ33.3%
おぢけ9.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家来や百姓は、イノチガケの凄味に舌をまいて怖毛おぞけをふるったかも知れないが、信長の偉さの正体は半信半疑で、わからなかったに相違ない。
織田信長 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
売国、国賊、——あるいはそういう名が倉地の名に加えられるかもしれない……と思っただけで葉子は怖毛おぞけをふるって、倉地から飛びのこうとする衝動を感じた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
市川海老蔵えびぞうは甲府へ乗り込む時にここの川越しに百両の金を強請ゆすられたために怖毛おぞけふるって、後にこの本街道を避けて大菩薩越えをしたということ。
「さア、どうぞ。あやかは昨夜から、僕のところへ泊りこみさ。土居光一が現れ、怖毛おぞけをふるっているわけさ」
不連続殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
来朝以来、公けの席などで芸者といふものをあたかも日本の代表的女性のやうに誇示される機会はあるにはあつたが、正直のところA氏はこの種の女性には怖毛おぞけをふるつてゐる。
三つの挿話 (新字旧仮名) / 神西清(著)
山楂子の実は甘酸あまずっぱい味がして、左程さほどまずくもないそうだけれど、そのほこりだらけなのに怖毛おじけをふるって、私達はとうとう手が出なかった。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
特に雷霆は狼に似て、猜疑さいぎぶかく、この巨犬には犬奉行の配下もみな怖毛おじけをふるって“犬神”ともよんで敬遠していた。事実、なんど咬まれているか知れないのだった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
札木合ジャムカ (すっかり怖毛おじけ立って)いや、貪る鷹のような成吉思汗ジンギスカン軍のいきおいだ。
年寄りで醜悪の姥に対しては、範覚以外のどのような男も、怖毛おじけを揮って近寄らなかった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その眼とどす黒い顔の色とはその顔をぞっと怖毛おじけの立つような気味の悪いものにした。
巴里の宝石商といふ宝石商は、ニツク・カアタアの名前を聞くと、怖毛おぢけふるつて縮み上つたものだつた。
勇猛なガラツ八も腕の利いた辻斬には怖毛おぢけを振るつて居ります。