“おぞけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怖気36.8%
怖毛34.2%
悚毛7.9%
竦毛5.3%
恐気5.3%
慄毛5.3%
恐毛2.6%
悸毛2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼のこんな様子が、思慮分別などはさらりと棄ててただもうたわいもない歓楽に酔ひ痴れた人達の胸に怖気おぞけを与へたことは云ふまでもない。
自己の生活に濫して酒肉を買ひ、はたに迷惑をかけてもてんとして恥ぢないやうな、生若い似非デカダン、道楽デカダンには私は何時も怖毛おぞけを振ふ。
文壇一夕話 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
敦賀つるが悚毛おぞけつほどわづらはしいのは宿引やどひき悪弊あくへいで、其日そのひしたるごとく、汽車きしやりると停車場ステーシヨン出口でぐちから町端まちはなへかけてまねきの提灯ちやうちん印傘しるしかさつゝみきづき、潜抜くゞりぬけるすきもあらなく旅人たびびと取囲とりかこんで
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
杉の森の寒夜もかくばかりかと思うほど、竦毛おぞけの立つひそまりかただった。
すると其の席に居た三平が急に恐気おぞけを慄い出し
幇間 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
慄毛おぞけだつ寒さと汗に蒸される熱さとの中で烹られる。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
放蕩費はうたうひを借りようとして居るのだが、誰もあんな無法者に金を貸して、抵当として家屋敷を押へた処が、跡で何んな苦情を持出さぬものでもないと、恐毛おぞけ振つて相手にぬので
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
元よりこうおどされても、それに悸毛おぞけを震う様な私どもではございません。甥と私とはこれを聞くと、まるで綱を放れた牛のように、両方からあの沙門を目蒐めがけて斬ってかかりました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)