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恐気
読み方 | 割合 |
おそれげ | 57.1% |
おぞけ | 28.6% |
おじけ | 14.3% |
恐気も無く、一分時の前は炎のごとく
真紅に狂ったのが、早や紫色に変って、床に氷ついて、
飜った腹の青い
守宮を
摘んで、ぶらりと提げて、鼻紙を取って、薬瓶と一所に
今は
斯うなって誰も
鼻撮みで新吉と云うと他人は
恐気を
振って居るのだ、長く
此処に居る気もないから、
寧そ土地を変えて
常陸の方へでも
行こうか、上州の方へ行こうか
大蛇でも居て
狙うか、と若い者ちと
恐気がついたげな、
四辺に
紛いそうな松の樹もなし、
天窓の上から、
四斗樽ほどな
大蛇の頭が
覗くというでもござるまい。