“摘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つま54.5%
40.4%
つみ1.5%
つか1.2%
0.9%
つまみ0.3%
つまん0.3%
つめ0.3%
はさ0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大異は林の中へ入ってすぐそこにあった大木の根本へ坐って、幹にっかかり、腰の袋に入れていた食物をつまみだしていはじめた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ほんとうにげんげをみにて、ひとがありませうか。きつねにでもつまゝれなければ、さういふことをするはずがありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
爲す者其方の外には決して有可からず能せよかしと内命ないめいありしに忠相ぬしも推辭いなむすべなく遂に天一をして僞者にせものとし二葉ふたばの中につみたるなりとの事實に然るかいなや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
初めて尾田の前に露呈した病院の組織の一端をつかみ取ると同時に、監獄へ行く罪人のような戦慄せんりつを覚えた。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
房ちゃんや菊ちゃんが二人とも達者で居る時分には、よく繁ちゃんのお墓へ連れてって桑の実をってやりましたッけ。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
高い男は玄関を通り抜けて縁側へ立出たちいでると、かたわら坐舗ざしきの障子がスラリいて、年頃十八九の婦人の首、チョンボリとしたつまみぱなと、日の丸の紋を染抜いたムックリとした頬とで
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今の毛と重ね、爾々そう/\其通り後前あとさき互違たがいちがいに二本の毛を重ね一緒に二本の指でつまんで、イヤ違ます人差指を下にして其親指を上にして爾う摘むのです
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
と心を締めて居るうちに、漸々だん/″\眠くなって来たから、もゝつめッたり鼻をねじったりして忍耐がまんしても次第に眠くなる、酒を飲んで居るからいけません。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鉛筆の中ほどを、小指と薬指との間に挾んで、それを斜めにしたのを、拇指おやゆびと人差指とではさんで書くそうだがね。そういった訳で、夫人の筆蹟はちょっと真似られんそうだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)