“つみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツミ
語句割合
75.7%
4.6%
2.9%
1.7%
罪障1.7%
罪悪1.7%
罪業1.2%
罪科1.2%
罪過1.2%
邪気1.2%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
殺生0.6%
犯罪0.6%
0.6%
罪孼0.6%
罪穢0.6%
0.6%
過失0.6%
邪氣0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
の人の作った戯曲の面白さが分らないとすれば、つみは自分の方にある。残念ながら、自分は藝術の殿堂でんどううかゞう資格がないのである。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
毎日こゝかしこの木を心のまゝにきりとりてたきゞにつくり、小屋のほとりにあまたつみおき、心にるほどにいたればそのまゝにつみおきて家にかへる。
そのかははゞもつとひろく、まちもつとちかく、やゝせまところがう屋敷田畝やしきたんぼとなへて、雲雀ひばり巣獵すあさり野草のぐさつみめうなり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その時代にノルプー・チェリンという人が総理大臣の権を握って大変に圧制をして、つみのないのに沢山な人を殺した事もあったそうですがそれは全く事実である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
赤児あかご』は重瞳ぢゆうどうの三男をしたのである。奥方は何と云ふ罪障つみの深い自分だらうと考へ出した。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
どうしたらこの患難なやみから救われるのでしょう。私が生きておりますのはアヤ子のためにこの上もない罪悪つみです。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
幾干いくそ罪業つみを作り玉ひし上、浪煙る海原越えて浜千鳥あとは都へ通へども、身は松山に音をのみぞなく/\孤灯に夜雨を聴き寒衾かんきん旧時を夢みつゝ、遂に空くなり玉ひし御事、あまりと申せば御傷おんいたはしく
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「まあ待ちなされ、皆の衆! 何も、無駄な罪科つみを重ねるこたあねえでがせう? ひよつとしたら、これあ悪魔ではないかも知れねえのに!」
からだがなくなって、こちらの世界せかい引移ひきうつってても、現世げんせ執着しゅうじゃく容易よういれるものでないことは、すでに申上もうしあげましたが、ついでにモーすこしここで自分じぶん罪過つみ申上もうしあげてくことにいたしましょう。
その邪気つみのない失敗談をすっぱ抜いてみたり、また泣く泣くも、よい方を取るべき遺品かたみ分けの方へ眼が光ったりして、湿っているうちにも、かなりの人間味が漂うべきはずであるが
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
或る時は、餘りに憎らしくなつて、自分を見るあの主婦の眼を、突き刺してやらうかと思つて、文吾は母の使ひ古したつみを一本持ち出したことさへある。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
じんき(白い綿を胡瓜きうりの小ひさなのぐらゐにしたもの)は長く母の左手で絲になつて伸びると、右の手で𢌞してゐた車が、チヨンと把手とつてを鳴らす音とともに、つみに卷き着く絲の玉は
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
きのふまで君をしたひしも、けふはたちま怨敵あたとなりて、本意ほいをもげたまはで、いにしへより八九あとなきつみを得給ひて、かかるひなの国の土とならせ給ふなり。
今にもかの女召して、おのれが罪なき事を覚らせ給へ。助いよよいかりて、我が下司したづかさに県のかばねを名のる者ある事なし。かくいつはるはつみますます大なり。豊雄、かくとらはれていつまで偽るべき。
翁これを納めて、二九三祝部はふりらにわかちあたへ、みづからは一むらつみをもとどめずして、豊雄にむかひ、二九四かれなんぢ秀麗かほよきたはけて二九五你をまとふ。你又かれかりかたちまどはされて二九六丈夫ますらを心なし。
が、さらに一層我々の注意をひくのは、浦島の常世の国が海中から天上へ移され、つみの化してなった柘媛つみひめも吉野の山の仙女から羽衣で飛ぶ天女に変化させられたことである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
丈助どん、殺生つみのようだが其の目の悪い客衆を殺しても其のお金をって若旦那へ上げて呉んなまし、おまはんには決して難儀は懸けまへん、其の罪は私が引受けて解死人とやらに立とうから
愛情の悲劇にたいしては、彼女たちは、ただ同情するだけで、そうした人たちが犯罪つみを犯した時でさえ、義憤を感じるようなことは決してありませんでした。
寡婦 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
百濟では都慕と言ひ、高句麗地方の人々は東明とも鄒牟とも朱蒙とも云ふ。日本で大山祇おほやまずみの神のすみ海童わだつみつみも、同音同義である。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
なんじはことごとく罪孼つみうまれし者なるにかえって我らを教うるか、ついに彼を逐出おいいだせり、彼らが逐い出ししことを聞き、イエス尋ねてこれに遇いいいけるは、爾神の子を信ずるか
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
こと浮世うきよ罪穢つみけがされていない小供こども例外れいがいなしにみなそうで、そのめこのなども、帰幽後きゆうごすぐにわし世話せわすることになったのじゃ。
周はすでに無実の罪に服してつみにつけられることになっていた。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
もしあなたの御存じの誰方どなたかゞ苦しんだり、過失つみを犯してゐらつしやるのなら、人間以上の高いところにそれを償ふべき力と癒すべき慰藉を求めさすやうにしてお上げなさいまし。
「隱すツて譯じやないんですけれど………」と些と思はせぶりを行ツて、「ま、しませう。私にだつて、御信心ごしんじんがあるんですとさ。ね、解ツたでせう。」と邪氣つみの無い笑顔ゑがほを見せる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)