つみ)” の例文
仰付らるゝにより迅速すみやか正路しやうろの人になるべきはずなれども又人間に出る時は以前いぜんに一そう惡事の効をつみつひには其身をうしなひ惡名を萬世に流すを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
毎日こゝかしこの木を心のまゝにきりとりてたきゞにつくり、小屋のほとりにあまたつみおき、心にるほどにいたればそのまゝにつみおきて家にかへる。
うかれ車座のまわりをよくする油さし商売はいやなりと、此度このたび象牙ぞうげひいらぎえて児供こどもを相手の音曲おんぎょく指南しなん、芸はもとより鍛錬をつみたり、品行みもちみだらならず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
また藩の諸役所にて公然たる賄賂わいろ沙汰さたまれなれども、おのずから役徳やくとくなるものあり。江戸大阪の勤番よりたずさえかえ土産みやげの品は、旅費ののこりにあらざれば所謂いわゆる役徳をつみたるものより外ならず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
喜多村の新派の頭立かしらだった人が応援して、諸方からの花輪、飾りもの、造りもの、つみものなどによってにぎわしく、貞奴の部屋や、芝居の廊下はおさらい気分、祭礼おまつり気分のように盛んな飾りつけであった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
さればとよよくききね、われ元より御身たちと、今宵此処にて邂逅めぐりあはんとは、夢にだも知らざりしが。今日しも主家のこものかれて、このあたりなる市場へ、塩鮭干鰯ほしか米なんどを、車につみて運び来りしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
うるはしきつみじろ——眞だま
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
これをとまり山といふ。(山にとまりゐて㕝をなすゆゑ也)さて夏秋にいたればつみおきたるたきゞかわくゆゑ、牛馬ぎうばつかひてたきゞを家にはこびて用にあつる也。
修業の功をつみし上、憤発ふんぱつの勇を加えしなればさえし腕は愈々いよいよえ鋭きとういよいよ鋭く
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
はからんものと思ひこみけるは殊勝しゆしようなれども一心に醫學を學び其じゆつを以て立身りつしん出世を望むに有ねば元より切磋琢磨せつさたくまの功をつみ修行しゆぎやうせんなどとは更に思はず大切たいせつ人命じんめいを預る醫業いげふなるに只金銀をむさぼることのみを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
掘たる雪は空地あきちの、人にさまたげなきところへ山のごとくつみ上る、これを里言りげん掘揚ほりあげといふ。大家は家夫わかいものつくしてちからたらざれば掘夫ほりてやとひ、いく十人の力をあはせて一時に掘尽ほりつくす。
おやあるひはおつと山に入りそりを引てかへるに、遠く輴哥そりうたをきゝて親夫おやをつとのかへるをしり、そりあふ処までむかへにいで、親夫をば輴につみたるたきゞまたがらせて、つまむすめがこれをひきつゝ
さてだん中央まんなかに杉のなま木をたてゝはしらとし、正月かざりたるものなにくれとなくこのはしらにむすびつけ又はつみあげて、七五三しめをもつて上よりむすびめぐらしてみののごとくになし
此石数百万をたて積重つみかさねて、此数十丈の絶壁ぜつへきをなす也。いたゞきは山につゞきて老樹らうじゆ欝然うつぜんたり、是右の方の竪御たておがうなり。左りは此石の寸尺にたがはざる石を横につみかさねて数十丈をなす事右に同じ。