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人命
難破船があるという無電によって、
人命をすくうため現場までいってみれば、それらしい
船影はなくて、あの不吉な黒リボンの花輪が漂っていた。
下敷になつた
人を
助け
出すことは
震災の
防止上最も
大切なことである。なんとなれば
震災を
被る
對象物中、
人命ほど
貴重なものはないからである。
去年も
御坊様、
親子連の
順礼が
間違へて
入つたといふで、はれ
大変な、
乞食を
見たやうな
者ぢやといふて、
人命に
代りはねえ、
追かけて
助けべいと、
巡査様が三
人、
村の
者が
十二人