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積重
両岸には、ドス黒い木の葉がうず高く空を覆って
積重なり、その濃緑の壁に真赤な
椿の花が、ポッツリにじんだ血の様に、一輪ずつ
其処此処に咲いていた。
余の
陳列所の
雨垂れ
落に
積重ねてある
打製石斧は、
數へては
見ぬが、
先づ
謙遜して六七千
箇は
有ると
云はう。
精密に
計算したら、
或は一
萬に
近いかも
知れぬ。
さて
通口に
組違へて、
角のない
千兩箱を
積重ねた
留桶を、
片手掴みで、
水船から
掬出しては、つかり
加減な
處を
狙つて
十杯ばかり
立續けにざぶ/\と
打ちまける。