“水船”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずぶね75.0%
みづぶね25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なに、よい飲料水。たやすいことだ。水船みずぶねは、船長が船に帰るまえに、龍睡丸に横づけになっているだろう。電話で、すぐ命令を出すから……」
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
そうしてその煙が消え失せた時には、半分水船みずぶねになった血まみれの小舟が、肉片のヘバリ付いた艫櫓ともろを引きずったまま、のた打ちまわる波紋の中に漂っていた。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さて通口かよひぐち組違くみちがへて、かどのない千兩箱せんりやうばこ積重つみかさねた留桶とめをけを、片手掴かたてづかみで、水船みづぶねから掬出くみだしては、つかり加減かげんところねらつて十杯じつぱいばかり立續たてつゞけにざぶ/\とちまける。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
八の頭の中では、空想が或る光景をゑがき出す。土間のすみに大きな水船みづぶねがあつて、綺麗きれいな水がなみなみと湛へてある。水道の口にめたゴム管から、水がちよろちよろとその中に落ちてゐる。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)