“易”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やす59.9%
か17.9%
えき6.9%
やさ2.9%
かは2.5%
かわ1.7%
い1.3%
たやす1.1%
カ1.0%
あなど1.0%
かへ1.0%
やすき0.4%
や0.4%
ヤス0.4%
うらな0.2%
うま0.2%
かう0.2%
かえ0.2%
かゆ0.2%
こ0.2%
また0.2%
やすく0.2%
やすし0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はこの人工の翼をひろげ、易(やす)やすと空へ舞ひ上つた。同時に又理智の光を浴びた人生の歓びや悲しみは彼の目の下へ沈んで行つた。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「すると、門前の豆腐屋がきっと起きて、雨戸を明ける。ぎっぎっと豆を臼(うす)で挽(ひ)く音がする。ざあざあと豆腐の水を易(か)える音がする」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
算木(さんぎ)、筮竹(ぜいちく)、天眼鏡、そうして二、三冊の易(えき)の書物——それらを載せた脚高(あしだか)の見台(けんだい)、これが店の一切であった。葦簾(よしず)も天幕も張ってない。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そう! じゃ今度、ワン・ステップの時に譲治さんと踊って上げるわ、ね、いいでしょう?………ワン・ステップなら易(やさ)しいから」
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
一年の生産の祝福・時節の移り易(かは)り、などを教へに来る神わざを、段々忘却して人間が行ふ事になつた例は、内地にも沢山ある。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そうしてそれを回想する主観そのものも年とともに易(かわ)って行くのであるから、まあ大して当てになるものではない。
回顧と展望 (新字新仮名) / 高木貞治(著)
もっとも発狂のためと解釈するのは馬の脚のためと解釈するのよりも容易だったのに違いない。難を去って易(い)につくのは常に天下の公道である。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、その隙だらけの新九郎へ、戒刀をとっては宇内(うだい)の山伏の中でも音に聞えた河内房が、なかなか易(たやす)くは打ち込んで行かれなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝等(ミマシタチ)進んで、石城を毀つて、新京の時世裝に叶うた家作りに改めよ、と仰せ下された。藤氏四流の如き、今に舊態を易(カ)へざるは、最其位に在るを顧みざるものぞ、とお咎めが降つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
虎豹その幽を去って而して人に近づくすなわち人これを得てその威を易(あなど)る、故に曰く虎豹幽に託(よ)って威載すべきなり〉。
趙(てう)の恵王(けいわう)が夜光の玉を、秦(しん)の照(せう)王が城(しろ)十五を以て易(かへ)んといひしは、加嶋屋が北国の明玉(めいぎよく)を身上(しんしやう)尽(つく)して買(かは)んと約(やく)せしに類(るゐ)せり。
且水の冰(こほり)は地中に在(あ)りても消易(きえやすき)ものなり、是(これ)他(た)なし、水は極陰の物なるゆゑ陽に感(かん)じ易(やすき)ゆゑなり。我越後に削氷(けづりひ)を視て思(おもふ)に、かの谷間(たにあひ)に在(あり)といひしは天然(てんねん)の氷室なり。
弥二の才、得易(や)すからず、年、穉(ち)なりといえども、学、幼なりといえども、吾の相待つは、則ち長老に異ならざるなり。何如(いかん)ぞ契濶(けいかつ)乃(すなわ)ち爾(しか)るや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ねこ、(中略)人家(ジンカ)ニ畜(カ)フ小(チヒ)サキ獣(ケモノ)。人(ヒト)ノ知(シ)ル所(トコロ)ナリ。温柔(ヲンジウ)ニシテ馴(ナ)レ易(ヤス)ク、又(マタ)能(ヨ)ク鼠(ネズミ)ヲ捕(トラ)フレバ畜(カ)フ。然(シカ)レドモ竊盗(セツタウ)ノ性(セイ)アリ。形(カタチ)虎(トラ)ニ似(ニ)テ二尺(ニシヤク)ニ足(タ)ラズ。(下略(げりやく))
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ハッハッハッハッハ、なけなしの俺が一枚看板みたいに、動物富籖をもっているのが、そんなに可笑しいか。だが、俺だって当ると思っちゃいないよ。易(うらな)いだ。未来を卜(ぼく)すには、これに限るよ」
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これだけのうちなら易(うま)く住みこなして見せるがなあ。
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
試(こころみ)に問う、天下の男子、その妻君が別に一夫を愛し、一婦二夫、家におることあらば、主人よくこれを甘んじてその婦人に事(つかう)るか。また『左伝(さでん)』にその室(しつ)を易(かう)うということあり。
中津留別の書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
百両の金が何で要(い)るか知らぬがあれ程の悌順(やさしい)女を金に易(かえ)らるゝ者と思うて居る貴様の心がさもしい、珠運という御客様の仁情(なさけ)が半分汲(く)めたならそんな事云(い)わずに有難涙(ありがたなみだ)に咽(むせ)びそうな者。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
むか/\と其声聞度(ききたく)て身体(からだ)の向(むき)を思わずくるりと易(かゆ)る途端道傍(みちばた)の石地蔵を見て奈良よ/\誤ったりと一町たらずあるく向(むこう)より来る夫婦連(づれ)の
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
厳師森夫子は千朶山房(せんださんぼう)に簀(さく)を易(こ)えたまい又莫逆の友九穂井上君は飄然として道山に帰りぬ。爾来われは教を請うべき師長もなくまた歓び語るべき伴侶もなし。
「麻布襍記」叙 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
子曰く、我に数年を加え五十にして学ぶも、易(また)大過なかるべし。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
我は心柔和にして謙遜者(へりくだるもの)なれば我軛(わがくびき)を負て我に学(ならへ)なんぢら心に平安(やすき)を獲(う)べし、蓋(そは)わが軛は易(やすく)わが荷は軽(かろ)ければ也
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
彼(か)の「明け易(やすし)」というのはこの場合である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)