“とが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トガ
語句割合
50.7%
34.0%
9.3%
2.0%
1.2%
0.5%
罪科0.5%
都雅0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
突角0.2%
0.1%
0.1%
尖角0.1%
戸賀0.1%
所為0.1%
罪障0.1%
蠹蚜0.1%
0.1%
誰何0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
拾得物しゅうとくぶつがどうのこうのとやかましくいえば限りがないが、放っておけば腐ってゆく金を、ただ拾い出して来るのになんのとががあろう
地図にない街 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
見違えるほど痩せ細って、頬骨ほおぼねとがり、目は青隈あおぐまをとったよう、眉間みけんにも血、腕にも血、足にも血……。ふた目とみられぬ姿である。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一枚の皿を傷つけたとがとして、自分を無慈悲に成敗する程の主人であれば、自分に対し深い愛情をもっていないことは判り切っている。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
遺言してこの百金を尊者に奉ったと取り出して捧げると、その金に眼がくれて一切とがめず、犬に人間同様の墓を設くるを許したと。
糸杉やこめとがの植木鉢がぞろっとならび、親方らしい隅のところで指図をしている人のほかに職人がみなで六人もいたのです。
ポラーノの広場 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
是故にわれ罪を淨めんとてかの貪婪むさぼりのために歎く民の間にありきとも、これと反するとがのゆゑにこそこの事我に臨めるなれ。 五二—五四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「いいや、そんなことは、どうでもよい。ともあれおぬしがいだいた大逆の罪科とがは、法は勿論、神仏もゆるし給わぬところだ。助かろうなどとは考えるなよ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
為永ためなが式の痴呆じみた美人相ではなく、都雅とが艶麗なうちに微妙な威容を含み、教養ある欧州のレヂーに比してすこしも遜色がない。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
光源氏、光源氏と、(好色の人として)評判のみはことごとしく、世人に非難されるとがが多い。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
フイゴの筒のやうに憂鬱さうに口をとがらせ、くるりと尻尾を巻いて偉さうに、海藻の間を浮いたり沈んだりしてゐる、何だかそれにしても余り姿が小さくてお気の毒な様な
城ヶ島の春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
あまりにつらきとがそ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
頭だけが大きく浮き上り、頂上がひどく突角とがって髪が疎らで頭の地が赤味を帯んでいるのである。
夢もろもろ (新字新仮名) / 横光利一(著)
その時、わずかにほころんだ唇の間から真赤な残り血が、すっと赤糸を垂らしたように流れ落ちて、クルッととがった顎の下にかくれた。
一足外に出ると、外はクラクラするような明るさでとがり切った神経の三人は、思わずよろよろっと立止ってしまった。太陽はえた向日葵ひまわりのように青くさく脳天から滲透しみとおった。
それは黒と白と市松模様いちまつもよう倭衣しずりを着た、容貌ようぼうの醜い一人の若者が、太い白檀木しらまゆみの弓を握って、時々切って放すとがり矢であった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は首を真直ぐに堅めながら、その尖角とがった肩先で女たちを跳ねのけ跳ねのけ進んでいった。彼の首は前後から女の腕に絡まれながらも、波を押しきる海獣のように強くなった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
戸賀とがの湾口は今のままでも、多分小舟の出入には差支えないのであろう。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まるで乃公の所為とがのようだ。それにしても忠公は仕様のない奴だ。もう九時過ぎている。約束を守らないと信用がなくなるぞ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
痛めて、私は、ほんとうにいとおしゅう思いまする。すでにそもじは、十字架に上りやったこととて、基督ハリストスとても、そもじの罪障とがを責めることはできませぬぞ
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
其の蔓をして依つて以て纒繞せしむ可き竹條葭幹等を與へて之を扶殖して地にすこと無からしめ、丁寧に其の蠹蚜とがを去るが如きは、即ち助長である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
難有ありがとう御座います。それで僕も安心しました。イヤまことに失礼しました匆卒いきなり貴様をとがめまして……」と彼は人をおしつけようとする最初の気勢とはうって変り、如何いかにも力なげにわびたのを見て
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
老いたる番僧はわが出づるを見つれど、許可を得たるものとや思ひけん、我を誰何とがめざりき。
おもえらく、大いに懲創を加うるにあらずんば、則ち以て国威を震燿しんようするに足らざるなりと。江戸に帰るに及んで、同志と反復論弁す。これより先、余、とがありて籍を削らる。しかして官別に恩旨あり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)